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生命環境学部の橋本秀樹教授
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生命環境学部の橋本秀樹教授
光合成細菌において太陽光エネルギーを効率良く集める色素タンパク質複合体の構造。一見、クリスマスリースのように見える
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光合成細菌において太陽光エネルギーを効率良く集める色素タンパク質複合体の構造。一見、クリスマスリースのように見える

 化石燃料に依存した社会構造から脱却し、CO2ゼロエミッションを実現しつつ、クリーンかつ持続・再生可能な次世代エネルギーを求めて、光合成や人工光合成に関する研究に注目が集まっています。

 地球に降り注ぐ太陽光エネルギーのたった1時間分が、人類が1年間で消費する総エネルギー量に相当します。地球上で、太陽光エネルギーを最もうまく活用している機構が植物の光合成反応です。その仕組みを正しく理解し、人為的に模倣できれば、エネルギー不足、食糧不足、地球温暖化などの問題に正当に対処する道筋が必ず模索できるはずです。

 光合成反応は、光を必要とする「明反応」と、光を必要としない「暗反応」の二つで成り立っています。明反応は、太陽光エネルギーを生体エネルギーに変換する反応で、暗反応はその生体エネルギーを使って大気中のCO2を固定し、炭水化物を合成する反応です。小・中学校の理科の時間に習う光合成の炭酸同化は、暗反応に相当しています。

 ここで生み出される炭水化物とは、燃料に変換可能な材料です。したがって光合成は、太陽光エネルギーを最大限に有効利用し、実質的にCO2ゼロエミッションを達成しつつ、人類が最も利用しやすい形のエネルギーを生産する夢のような機構なのです。さらに、天然の光合成反応を模倣・改変し、光エネルギーを用いてCO2から燃料を生み出そうとするのが人工光合成です。

 人工光合成を達成するためには、生物・化学・物理・工学の広範囲にわたる知識と研究意欲が必要となります。われわれの研究室では、天然および人工光合成の動作機構を解明するための研究を行っています。

 化石燃料に依存したまま、人類が現在の水準の生活を維持し続けたとすると、われわれの孫の時代には化石燃料が枯渇し、大変な事態となることが懸念されています。われわれに残された時間は限られています。人々が強い意志を持ち、人種や言葉の壁を越えて共同で一つの目標に向かって取り組めば、大変な偉業を成し遂げられるはずです。

 実際に、われわれは総力を挙げて、人類を月にまで送る事ができたのです。今こそ、アクションを起こす時です。なせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけりです。意志のある所に必ず道(解決策)がつながっていると信じてやみません。

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