三田

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黒田有寿茂主任研究員
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黒田有寿茂主任研究員
ウワミズザクラ
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ウワミズザクラ
ナツフジ
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ナツフジ
タムラソウ
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タムラソウ

■黒田有寿茂・主任研究員

 林のへり、すなわち林縁(りんえん)は、林の周りの部分のことです。林縁は林の中と異なり横が開けているので、低いところにも光が当たります。また、刈り取りや踏みつけなど人の影響もよく受けます。

 このため、うっそうとした森をつくる常緑樹から明るい里山に多い落葉樹、土手や路傍でみかける草木など、様々な環境に生育する植物を同時に見ることができます。林のへりは、身近な植物の観察にもってこいの場所といえるでしょう。

 私の住んでいるアパートはとある団地のはずれにあり、小径をはさんで小さな林と接しています。林の近くには住宅のほか、田んぼ、畑、竹やぶなどがあり、15分くらいで一周することができます。

 最近、休日の夕方に、ちょっとした運動も兼ねこの林のへりを見て回るようになりました。

 春、ソメイヨシノの花も落ち着く頃、目に飛び込んでくるのはウワミズザクラです。

 サクラの一種で、ブラシのような花の集まりが特徴です。ウワミズザクラのような高木になる樹木の花は間近で見ることができないことも多いのですが、林のへりでは木全体に光が当たるので、低い枝にも花をつけていることがあります。

 春から夏にかけては、様々な植物が入れ替わりながら次々と咲いていきます。

 1~2週間で様子が変わるので、同じ林のへりでも毎回新しい発見があります。本格的な夏を迎えると外に出るのが少し億劫になりますが、林のへりでは日陰がほどよくできるので、それほど苦にはなりません。真夏に咲く植物もあります。例えばナツフジ。白い花が夏の空によく映えます。

 暑さも落ち着いてくる頃、ツリガネニンジン、ワレモコウなど、秋の到来を告げる草花が咲き始めます。

 林に目を向けると、ピンクがかった紅色の花が見えました。タムラソウです。アザミの仲間に似ていますが、果実のつき方などに違いがあり、葉に痛いとげはありません。タムラソウは湿った環境でみられることが多く、ここでは田んぼに近い斜面でたくさん生えていました。

 家の周りの身近な場所でも、普段とは少し意識や目線を変えて歩いてみることで、四季の移ろいや生命の息吹、そして環境や生きものの多様性を、より豊かに感じることができるように思います。

 土用が近づき、秋もいよいよ深まってきました。自然の実りを探しに、あるいは気分転換に、林の「へり」歩きはいかがでしょうか。思わぬ出会いがあるかもしれませんよ。

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