三田市唯一の造り酒屋で新酒販売 香りよくフルーティーな味わい 岡村酒造場

2021/12/21 05:30

蔵の中で新酒を持つ岡村理恵さん=岡村酒造場

 兵庫県三田市唯一の造り酒屋「岡村酒造場」(同市木器)で、今季の新酒の販売が始まっている。加熱処理「火入れ」をしない生の日本酒で、香りがよくフルーティーな味わい。この時期だけの限定販売で、2~3月には売り切れる人気商品だ。店先には青々とした「杉玉」が飾られ、新酒の季節を告げている。(土井秀人) 関連ニュース ひょうご本大賞に「あの日、小林書店で。」 尼崎の小さな本屋巡る小説 阪神タイガース、2軍施設オープンへ「マジック」点灯 100日前で尼崎の商店街 尼崎→西宮→尼崎「お帰り」 <ヒロシマ・ナガサキ 今こそ伝えたい 県内被爆者インタビュー>(12)葛下友和さん(98)三田市 体験向き合えるまで半世紀


 1889(明治22)年の創業。5代目の岡村隆夫さん(77)と後継者で四女の理恵さん(45)が醸造し、「千鳥正宗」の銘柄で知られる。家族で切り盛りする小さな蔵で、年間約1万8千リットル弱を製造。流通するのも市内がほとんどだ。「米のうま味を感じられる酒を目指している」と理恵さん。
 今年は11月1日から仕込みを始めた。新酒は4種類あり、いずれも生酒。使用した酒米「五百万石」と「古代米」は自前の田んぼで育てた。
 原酒「しぼりたて」はすっきりとした辛口で、1・8リットル2400円、900ミリリットル1230円。純米酒「三田しぼり」はこくがあり、900ミリリットル1450円。本醸造「有馬しぼり」は甘口で上品、飲みやすいといい720ミリリットル1100円。「古代しぼり」は古代米を使い薄いピンク色をしており、720ミリリットル1710円となっている。
 理恵さんは「今年は温度差が少なく仕込みやすかった。飲み比べてもらえれば、それぞれの特徴がよく分かる」と話した。
 酒造場で販売するほか、メールや電話の注文も受け付ける。岡村酒造場TEL079・569・0004
(土井秀人)

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