三田

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自然が好きで里山整備に取り組む「もりんちゅうの会」=三田市木器
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自然が好きで里山整備に取り組む「もりんちゅうの会」=三田市木器
【竹チップ作り】無煙炭化器で竹を焼き、農業用の竹チップを作る=三田市木器
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【竹チップ作り】無煙炭化器で竹を焼き、農業用の竹チップを作る=三田市木器
【竹林を間伐】間伐して光が差し込んだ竹林(左側)と整備前=三田市木器
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【竹林を間伐】間伐して光が差し込んだ竹林(左側)と整備前=三田市木器
自然が好きで里山整備に取り組む「もりんちゅうの会」=三田市木器
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自然が好きで里山整備に取り組む「もりんちゅうの会」=三田市木器
【まき割り、草刈り】草刈りやまき割りなど役割分担して黙々と作業する=三田市木器
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【まき割り、草刈り】草刈りやまき割りなど役割分担して黙々と作業する=三田市木器

 人が山へ入り、辺りの森や池に生物が息づく。かつてはどこでも見られた里山の風景だ。しかし近年、森が放置され、多様性を維持できない地域が増えている。兵庫県・三田でも課題となる中、ニュータウンの住民たちが続ける保全活動が浸透してきた。結成10年目となる今年、将来に向けてさらに裾野を広げようと、子どもたちを巻き込んだプロジェクトを始動させる。(喜田美咲)

 宝塚市との市境にある三田市木器。静かな山あいで竹のはぜる音が聞こえる。間引いた木を無煙炭化器で燃やし、農業に使う竹炭チップを作る。縦に割ってまきにする。

 市民グループ「もりんちゅうの会」。けやき台の住宅街にある緑地「諏訪の森」を拠点に2013年に結成し、市内を中心に放置林の整備や野菜の無農薬栽培などを手がけてきた。名称には「森で健康に楽しむ人たち」といった意味を込めた。

 活動は1人の気付きから始まった。「木が周りの針金やロープに食い込んでいて苦しそう」。12年ほど前、中央公園(同市けやき台2)を歩いていた二口(ふたくち)力さん(77)=同市=が心を痛めた。定年退職を機に奈良県から三田へ移ってきた。ごみのポイ捨ても気になった。「きれいになったらみんな捨てなくなるはず」。自主的に手入れを始めた。

 次第に仲間が集まった。公園や住宅街を囲う林の手入れを10人ほどで始めた。「茂った草木が道路にはみ出しても車に当たるなどの実害が出ないと、市や県に手入れしてもらうことは難しい。ならば自分たちで、とみんなで考えた」。自ら代表となって会を立ち上げた。補助金を活用し、業務用の機械をそろえた。

 活動は口コミで広がり、賛同者が増えた。道路沿いの木を剪定(せんてい)する人や植物の生態調査の専門家など今では30人以上が所属。竹チップは農家へ、まきは洋菓子店などに販売し、収益で運営資金をまかなう。

     □  □

 3年前から、本格的に里山に入り始めた。愛知県に住む下山宏さん(80)が、木器にある実家の裏山の手入れを県や市に相談したことがきっかけだった。家は十数年空き家になっており、たまに帰って手入れするものの、約30ヘクタールの土地はジャングルのような状態になっていた。県から紹介を受けたのがもりんちゅうの会。下山さんは活動を知り「かつては畑もあった土地。楽しんでもらえるなら自由に使ってほしい」と依頼を決めたという。

 コナラや竹を間引いて山に光を入れ、多様性が保てる環境をつくる。残すべき木は専門知識を持つメンバーがアドバイス。狩猟免許を取ったメンバーがイノシシやシカから畑を守りながら、黒豆やトウモロコシなどの無農薬栽培にも取り組んだ。ため池ではモリアオガエルが産卵し、フクロウが羽ばたく姿もよく確認できるようになった。

 うわさを聞きつけた周辺住民から「うちの山もやってほしい」と声がかかるようになった。「腰掛け、よそ者などと思われていたかもしれないけれど、少しずつ地域の活動に入っていくことで受け入れてもらえた気がした」と二口さん。わなを仕掛けてイノシシを捕獲した際は、周辺の住民が集まり、わなの運搬などに協力してくれたという。木器で知られるようになると、近くにある野外活動施設「神戸三田アウトドアビレッジTEMIL(テミル)」から「まきを売ってほしい」と依頼が入るようになった。

 今後は里山を活用し、訪れた子どもたちに自然の中での暮らしを体験してもらうイベントも検討していく。英国出身のアウトドアインストラクター、イジット・リーさん=宝塚市=と協力し、ナイフ1本でたき火や調理を楽しむイベントなども計画中という。

 会の中には、活動を通じて初めて農業や林業に触れたメンバーも少なくない。「楽しいから、とみんなが少しずつ技術を身につけてきた。子育て世代など若手も増えてきている」と二口さん。「手を加えすぎない『半自然』の状態で、100年先まで続く里山を三田に残したい」と森を見渡した。

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