三田

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関西学院大学総合政策学部の池側隆之教授(提供)
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関西学院大学総合政策学部の池側隆之教授(提供)

■利用可能性多角的に検討

 私の専門は映像デザイン研究です。映像の持つ力をデザイン学の視点を取り入れながら多角的に検討するものです。映像デザインという言葉を掲げてそれを専門的に研究する人の数は多くありませんが、映像は私たちの生活の隅々にまで浸透していますので、研究者であれ、プロフェッショナルであれ、「映像をデザイン」の対象と捉える人はたくさんいます。

 すなわち映像デザインとは、特定のメッセージを受け手に伝える際、どのような構成で映像を準備するのか、あるいはどのようなグラフィックやテキストを用いると訴求力が増すのかを計画的に考え、それを実践することです。狭義には企業のモーションロゴやニュース番組で挿入される解説動画などがあり、広義には視覚伝達を担う映像すべてが対象となります。

 しかし私は「映像をデザイン」するだけでは無く、「映像によるデザイン」という側面にも注目しています。複雑かつ不確実な世界と捉えられる現代社会において、デザインに対する期待はますます大きくなっています。ここでいうデザインとは、従来の「見栄えを良くする」というものではなく、多様な人々を巻き込み、その能力を引き出しながら、課題要因の発見と解決、また新しい価値創造を目指すものです。

 そのプロセスにおいて活用されるのはデザインリサーチと呼ばれる方法論です。そこで重視されるのは受け手に寄り添った調査であり、それは送り手の判断の妥当性を確かめるためのものというよりは、受け手の行為・行動・発言を注視し、それを洞察し、新しい価値の源泉として捉えるものです。送り手の問題意識と受け手から得られるインスピレーションの中間に立つことをデザインは重視するため、新規事業の創出だけではなく、行政のあり方などにもデザインの考え方が生かされつつあります。

 このデザインリサーチでは映像を中心とする視覚メディアの利活用が重要です。すなわち「映像によるデザイン」とは「メッセージありきの映像」の利用ではなく、課題解決というゴールに向かう過程で、課題の発見に寄与し、見いだされた課題の整理を促し、課題解決に資するアイデアを発信するなど、プロセスの進度に合わせて役割を変えデザイン活動を下支えする映像を意味します。

 関連ですが近年、市井の人々が過去に撮影した映像群を公共財として位置付け、地域コミュニティーの価値創出の手段として位置づける事例も増えており、私自身もいくつかに関わっています。このような映像デザインの二つの側面を積極的に連動させ、映像のさらなる利用可能性を検討し、特に少子高齢化著しい地方の課題に適応させることが最近の私の研究テーマです。

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