西播

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 冬山は一流の登山家だけが登ることができる危険で過酷な世界-。そんなイメージを持つ人も多いのでは? 兵庫県の西播磨から日帰りで登れる氷ノ山(1510メートル)は日本海に面した雪深い山だが、天気が良ければ比較的手軽に雪と氷の絶景を楽しむことができるという。2月下旬の晴れた日、地元の山を知り尽くした宍粟50名山ガイドクラブのメンバーに同行し、冬山登山に挑戦した。(古根川淳也)

 今回歩いたのは、国道29号の新戸倉トンネル(宍粟市波賀町)から、兵庫・鳥取県境の尾根伝いに氷ノ山南側のピーク三ノ丸(1464メートル)まで登るコース。夏はチシマザサが繁茂し行く手を遮るが、冬場は雪に覆われて歩きやすくなるという。

 午前8時半、同トンネルを出発。付近の標高は約730メートルで、約2メートルの積雪があった。しかし、2月後半の雪は固く締まり、歩きやすい。先頭を行くガイドクラブ副会長の八木偉行さん(72)は「黄砂が降ると雪が汚くなるが、今日はきれいで最高やね」と声を弾ませた。

 雪上歩行に欠かせない装備がスノーシュー。輪かんじきに薄い板を張ったような形で、深雪の上でも足が沈みにくい。足首にスパッツを巻いて雪が靴に入るのを防ぎ、ストックを持って体のバランスを保つ。

 急斜面を登って県境の尾根に着くと、後はカエデやミズナラの森の中を緩やかな上りが続いた。気温は1~2度。歩くと長袖シャツ1枚でも寒くない。

 出発から3時間半。標高1300メートル付近で木々のこずえに樹氷が見え始めた。さらに歩くと、手に届く枝も氷に覆われる。森全体がレースのカーテンに包まれたように白くなった時、陽光が差し、樹氷が輝き始めた。そこが森の出口だった。

 この先は森林限界を超え、山頂周辺はチシマザサが覆う。その丘が見渡す限りの大雪原に変貌していた。樹氷が満開の桜のように輝き、天上の楽園で花見をしている気分になった。誰もが立ち止まり「すごい」と息をのんだ。

 ガイドクラブ初代会長の衣笠萬三さん(67)は「氷ノ山の冬は今がベストシーズン。この“冬桜”と雪原を、多くの人に見てもらいたい」と笑顔を見せた。

   ◇   ◇

■冬の氷ノ山の注意点 山頂の雪原で天候が急変し、吹雪で視界が失われると遭難の危険が高まる。天気予報には細心の注意が必要。谷川の擁壁や崖の上は雪がせり出し、近づくと崩落の恐れがある。非常時に備え防寒着や食料も準備し、初心者だけの登山は絶対に避ける。

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