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9月1日から分娩の受け入れを休止する赤穂市民病院=赤穂市中広
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9月1日から分娩の受け入れを休止する赤穂市民病院=赤穂市中広

 兵庫県の赤穂市民病院(同市中広)が9月1日から、産婦人科の分娩の受け入れを休止する。常勤医師1人が今月に退職し、出産態勢が整わなくなった。同病院は、新たな医師を確保して早期の再開を目指すが、医師不足もあり見通しは立っていない。市内では赤穂中央病院(同市惣門町)が受け入れを続けているが、近隣市町の住民も利用する市民病院の休止に、関係者らからは不安の声も漏れる。(西竹唯太朗)

 同市民病院の休止に伴い、姫路市以外の西播磨地域で出産できるのは、赤穂中央病院と公立宍粟総合病院(宍粟市山崎町鹿沢)、公立神崎総合病院(神河町粟賀町)の3病院のみとなる。

 同市民病院によると、産婦人科は1952年に開設。医師不足のため2008~11年、分娩の受け入れを一時制限したことがある。

 その後、同科には昨年まで常勤医師が4人いたが、今年4月に定年などで2人が退職。さらに8月にも1人が退職したため、残る1人では帝王切開など緊急時の対応に不安があると判断し、休止を決めたという。

 産婦人科は9月以降、婦人科として診療する予定。出産を予定していた妊婦には希望を聞き、姫路市などの病院を紹介する。

 赤穂市民病院は「大学病院の医局に医師の派遣を依頼しているが、産婦人科医が減っており厳しい状況。できるだけ早く再開させたい」としている。

 赤穂市内の2病院が2016年度に扱った分娩は計648件。市民病院は249件(うち市外からの利用は144件)、赤穂中央病院は399件(同252件)だった。隣接する岡山県も含めて市外の利用者が約6割を占めた。

 このため、市民病院の分娩受け入れ休止で、赤穂中央病院の負担が増す可能性もあるが、同病院は「妊婦が増えても受け入れを制限する予定はない」とする。

 同病院は市民病院から100人程度の妊婦が移ってくると予想。産婦人科には常勤医師が3人と非常勤が2人在籍しており、「グループ病院から医師の応援もあるので、受け入れに問題はない」と力を込める。

 ただ、市民らの間には不安の声もある。出産を予定する赤穂市御崎の主婦(36)は「もし中央病院に受け入れてもらえなければ、姫路か宍粟まで行かないといけない。どうしたらいいのか…」と漏らす。

   ◇   ◇

 ■医師の地方派遣、余裕なく 少子化対策に壁

 分娩の受け入れを休止する赤穂市民病院。病院側は新たな医師の確保を模索するが、地方の産婦人科医不足が壁となっている。同市を含む近隣市町は若者の定住を狙い、出産や子育て支援の充実を掲げており、自治体の施策に影響する可能性もある。

 赤穂市は上郡町、岡山県備前市とともに「東備西播定住自立圏」を構成。中核病院に位置付ける同市民病院では通常、市民以外は医療費を高くしているが、自立圏を結ぶ両市町民は同額で出産することができる。

 このため、隣接する岡山県備前市などからも妊婦が訪れる。同市民病院で長男を出産した備前市の女性(32)は「岡山市の病院よりも近く便利だった」と振り返る。

 兵庫県医務課によると、県内で2014年度に勤務した産婦人科医は482人。医師数は10年前と比べてほぼ横ばいだが、地域別では差があるという。

 神戸市が最多の159人で、阪神154人、東播磨62人、中播磨49人と続く。一方で、西播磨は11人と丹波6人、但馬9人に次いで少なかった。

 日本産婦人科学会は、04年に導入された新臨床研修制度が影響しているとみる。同学会の担当者は「研修医が大学病院だけでなく、一般病院を研修先に選べる制度となり、大学病院は地方に派遣する余裕がなくなった」と推測する。過酷な労働環境もなり手不足に追い打ちをかけているという。

 赤穂市の明石元秀市長(66)は今月、市民病院の分娩受け入れ停止の決定を受けて、病院長と一緒に大学病院を訪れ、医師の派遣を申し入れた。明石市長は「少子化対策を打ち出す市にとって非常事態。一刻も早く再開させたい」と話している。

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