西播

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相生湾の干潟でカニを観察する大角一尋君(左)と涼斗君=相生市内
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相生湾の干潟でカニを観察する大角一尋君(左)と涼斗君=相生市内
カニの標本と観察記録
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カニの標本と観察記録

 兵庫県相生市立中央小5年の大角一尋君(11)と同4年涼斗君(9)兄弟が、自宅近くの相生湾でカニの調査を続けている。3年間で採集したカニは53種類に上り、うち22種類は兵庫県の絶滅危惧種。県内で報告事例がない2種類も見つけた。「カニカニブラザーズ」として成果を発表し、昨年秋には、全国の研究者が集まる日本甲殻類学会で、「学術的に極めて価値がある」として特別奨励賞を受賞。兄弟はカニ図鑑の制作に取り組み、「相生湾の大切な自然や生き物を全国に発信したい」と意気込んでいる。

 兄弟が調査を始めたのは2015年6月、県立大学准教授の和田年史さん(40)が講師を務める相生湾の干潟観察会に参加したのがきっかけだった。「はさみの形や甲羅の色が一つ一つ違う」と、カニのかっこよさに心を奪われた。

 その後、週末には、湾内の干潟や砂浜で、ブロックの下や泥の中に身を潜めたり、草むらを歩いたりするカニを観察し続けた。ノートや調査票に種類や観察日の天候を記し、疑問は和田さんら研究者に質問する。県内で発見報告がないチゴイワガニとフジテガニも見つけた。

 干潟では、カニが土中から目だけ出して周囲を窺う様子や、珪藻が付着した土を食べた後に土だけ吐き出して団子を作る行動を観察した。小さなカニやコガネムシを持って歩くカニや、敵から身を守るためにはさみを切り離して逃げ、脱皮を繰り返し、はさみが再生する生態も確認した。

 昨年10月の甲殻類学会では「図鑑中心の単なる知識ではない」「子どもでなければ視線が向かないような場所へ行く観察眼と行動力には参加者一同驚き、刺激を受けている」と、自然の中で培った知識や考察力が高く評価された。

 2人を指導する西宮市貝類館の学芸員渡部哲也さん(45)は「相生は小さな干潟や砂浜が数多くあるので、県内の絶滅危惧種が多く見つかっている。多くの種類と数が発見できるので観察も楽しいはず」と、豊かな環境が研究意欲を高めていると指摘する。

 今年は、卵を持ったハマガニと巣穴に番号を付けて追跡調査をするという兄弟。涼斗君は「相生の海はカニの楽園」と干潟を移動するカニの行動を見守る。一尋君は「観察を続けてカニの生活をもっと知りたい」と話している。

 兄弟は7月8日、午後1時から県立人と自然の博物館(三田市)でカニの魅力を語る。同館TEL079・559・2001

(敏蔭潤子)

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