西播

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74年ぶりに父親の遺品を手にした松江実男さん(左から2人目)ら遺族。右は青森から届けた高島慎吾さん=上郡町大持
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74年ぶりに父親の遺品を手にした松江実男さん(左から2人目)ら遺族。右は青森から届けた高島慎吾さん=上郡町大持
松江寿男さん
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松江寿男さん

 太平洋戦争の激戦地フィリピン・ルソン島で1945年春に戦死した香川県出身の松江寿男さん=当時(36)=が、出征時に家族らから受け取った日章旗が17日、74年ぶりに兵庫県上郡町で暮らす長男実男さん(78)ら遺族の手に返された。戦地から持ち帰った米軍パイロットの孫娘が返還を希望。手がかりが少ない中、日本の友人らが持ち主特定に力を貸した。形見さえなかったという実男さんは「父がやっと帰ってきたよう」と涙ながらに喜んだ。(小林良多)

 大阪市内でガラス製品工場を経営した寿男さんは、妻と実男さんら4人の子どもを残して出征。その際、義弟らから「武運長久」と書かれた日章旗が贈られたとみられる。海軍に所属したが、終戦翌年に戦死の通知が届いた。

 日章旗は戦後、米海軍の輸送機パイロットだったクラレンス・ミラーさん=米ワシントン州=が保管していた。約25年前に亡くなった後、遺品の中から丁寧に包まれた日章旗を家族が発見。戦地での入手経緯は分からなかったが、青森県むつ市役所で働いていた孫のエイミー・ミラーさん(32)が、「きっと大切な物のはず」と2014年から遺族を探し始めた。

 縦70センチ、横95センチの日章旗には寿男さんの義弟のほか、約40人の名前が筆で書かれていたが、所属部隊や住所は書かれていなかった。

 エイミーさんが帰国することになると、同市役所職員の高島慎吾さん(33)が調査を引き継ぐことを約束。昨年末、友人の仲介で日本遺族会に照会を依頼し、遺族が上郡町にいることが判明した。

 この日、高島さんらは上郡町役場を訪ね、実男さんら遺族と面会。実男さんは木箱から旗を取り出すと、思わず両手を合わせ、目を潤ませた。遺骨や遺品は手元にないといい、「当時は幼く、思い出の中に父の姿はない。ようやくたった一つの形見を手にできて存在を感じることができる。本当にありがたい」と感極まっていた。

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