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「旧揖保郡の地名」を発刊した「臺山の会」のメンバー=たつの市内
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「旧揖保郡の地名」を発刊した「臺山の会」のメンバー=たつの市内

 古代播磨の地誌「播磨国風土記」に記される「揖保郡」の郡域を対象に、地域史研究グループが大字と小字について調査し、その由来や歴史をまとめた研究書「旧揖保郡の地名」を発刊した。全地名を地図に落とし込み、索引も付けた3年がかりの労作。「地名は土地に根差した歴史文化遺産との認識を新たにした」と語る。

 同書を編集したのは「臺山の会」の4人。同風土記編さん1300年記念事業で兵庫県たつの市教育委員会が2013年に募った「風土記ゼミナール」の元メンバーでつくる。その由来が風土記の時代にまでさかのぼる地名の奥深さに興味を抱いたのが調査のきっかけだ。

 同風土記によると、揖保郡は播磨国12郡の一つ。現在のたつの市を中心に太子町、姫路市西部にまたがる地域を指す。

 同書では1889(明治22)年の町村制施行時の大字219、小字3971について調べた。大字は各種文献に記載された由来、名前が確認できる史料名を記述。小字は各市町史に基づき表記を整えて集約した。

 地名にまつわるいくつかの特徴も浮き彫りになった。小字は「垣内」が132で最多。「かいち」「がいち」「かきうち」と読み方は複数あり、東西南北や寺院名などが付く。地縁や血縁で集まった小集落だったと推測されるという。続いて73の「前田」、71の「新田」が多かった。鶴、亀や鳥魚類などの動物名は29種、植物名はその2倍以上の60種に上り、旧揖保郡の豊かな自然を物語る。

 同会によると、農業など土地に根差した暮らしが薄れる一方で土地開発や自治体合併が進み、小字を中心に日常で使われなくなりつつあるという。菅野稔博さん(71)は「江戸時代初期にあった小字数は、いまは3割程度にまで激減したことも分かった。地名を伝承する必要性を強く感じている」と話す。

 A4判、167ページ。300部作成。20日午後2~4時、たつの市龍野町立町、中央公民館で「ここまでわかった!旧揖保郡の地名」をテーマに研究成果を報告する講演会とシンポジウムがある。同書は会場で入手できる。参加費300円。申し込み不要。(松本茂祥)

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