西播

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8サイズのカキを常時出荷できる「かましま水産」の鎌島宏文さん(左)ら=赤穂市坂越
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8サイズのカキを常時出荷できる「かましま水産」の鎌島宏文さん(左)ら=赤穂市坂越
殻付きの8サイズのカキ(佐藤言也さん提供)
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殻付きの8サイズのカキ(佐藤言也さん提供)
8サイズに分けられた殻付きのカキ(佐藤言也さん提供)
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8サイズに分けられた殻付きのカキ(佐藤言也さん提供)
マトリョーシカ人形のようにもカキをそろえられる(佐藤言也さん提供)
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マトリョーシカ人形のようにもカキをそろえられる(佐藤言也さん提供)
カキフライ(佐藤言也さん提供)
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カキフライ(佐藤言也さん提供)

 兵庫県赤穂市の坂越湾でカキ養殖を手掛ける「かましま水産」が、秋冬のマガキと春夏の岩ガキをいずれも8段階にサイズ分けし、シーズンを通して出荷している。カキは時とともに成長するため、シーズンの初めから終わりまで8サイズをそろえ続けるのは難しく、カキの愛好家も「同様の例はほかにない」と手法にほれ込む。先駆的な取り組みと背景を紹介する。(坂本 勝)

 かましま水産はカキの大きさを小さい方からSSS、A~Gカップの8段階に分けている。多くの生産者は3、4段階で、カキが成長するにつれ大型の出荷が増える。

 同社は稚貝を仕入れて育てるのではなく、卵から坂越湾で育てたカキの養殖に成功するなど、これまでも先進的な取り組みを展開。2017年には自動でカキの重さを量って分ける選別機も導入し、より正確にサイズ分けができるようにもなった。

 8段階を常時そろえる同社のノウハウはこうだ。

 湾内のいかだに毎日出掛け、籠からカキを出して殻を掃除する。出したカキを選別機にかけてサイズをそろえ、再び籠に入れていかだへ戻す作業を繰り返す。

 「潮の干満に合わせてカキが海面上に上がるように調整し、一時的に乾燥させて成長を止める」と鎌島宏文社長(58)は説明。「うちのメインは小売り。オイスターバーなどでは丸くて小ぶりのカキが人気だ。手間をかけて選別し、販路を広げてきた」と振り返る。

 インターネット上のカキの百科事典「カキペディア」編集長で、日本オイスター協会創設者の佐藤言也さん(43)=東京都=は「シーズンを通してA~Gカップをそろえるのは困難」と驚く。

 佐藤さんによると、カキのサイズは、フランスでは6段階分けが法律で定められ、一口サイズが主流。日本ではむき身が圧倒的に多いが、オイスターバーの流行などで殻付きの生ガキを好む人が増えているそう。同社の需要もC、Dカップが全体の半分を占める一方で、Bカップが増加している。

 佐藤さんをはじめ、世界一うまいカキ作りに挑む人たちを応援するプロジェクト「セカウマ」のメンバーは、東京で同社のマガキと岩ガキ8サイズの審査会をそれぞれ開いた。カキのデザイン、実入り、味の3点を生食やカキフライで審査。その結果、フランスを上回る8段階のサイズ分けは「史上(世界)初」として、同社のマガキを2月17日に、岩ガキを7月14日に認定した。

 佐藤さんは「サイズ分けが進めば、形や大きさが違うカキが同じ値段になることもない。売れ筋だけ効率よく作れ、計画的な養殖により育て過ぎや作り過ぎで海の環境を壊すこともなくなる」と同社の取り組みを評価する。

◇坂越湾の「1年カキ」栄養豊か、成長早く◇

 赤穂市の坂越湾は、生島が浮かび、沖合の家島諸島に遮られて波が穏やか。生島には、聖徳太子の側近だった秦河勝が漂着した伝説が残る。秦河勝を祭神とする大避神社の神域で禁足地だったため、照葉樹が広がる生島樹林は大正時代、天然記念物になった。

 名水百選に選ばれている清流千種川が近くに流れ込んでおり、良質の植物性プランクトンが豊富。通常のカキは2~3年かけて大きくなるが、坂越では1年で出荷できるまでに成長することから「1年カキ」と呼ばれる。

 豊かな自然に恵まれた坂越のカキは大きく、ぷりっとした身が特長だ。栄養豊かな海で育つため成長が早く、10~3月ごろにマガキを、4~8月ごろに岩ガキを-と年間を通じて味わうことができる。

 赤穂市内では坂越を中心に15業者がカキを養殖している。質の高いカキを育てるため、過密な養殖を避けて漁場の負荷を減らしており、水質や細菌の検査も徹底。安全で安心なカキを消費者に届けている。

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