西播

  • 印刷
動画一覧へ
福崎町の防災行政無線のスピーカー=同町役場
拡大
福崎町の防災行政無線のスピーカー=同町役場

 兵庫県福崎町に引っ越し、赴任してもうすぐ2年。毎朝町内に鳴り響く、なじみのメロディーを目覚まし時計代わりに頼って起きている。夕方にも必ず流れるので、1カ月も住めば口ずさめるようになった。防災行政無線のテスト放送なので、なかなかの大音量。「やかましい」「回数を減らせ」との批判もあるが、町は「時報として染みついている」。確かに、染みついてはいる。でも、時報と呼ぶには大きな問題が…。(井上太郎)

 タラララン、ララン、ラン、ラララララ~

 窓を締めきった寝室に容赦なく飛び込んでくる放送。ああ、朝か。時計の針は午前7時、まであと10分の所を指している。夕暮れ、事務所でパソコンに向かっていると再び「タラララン」。急いで原稿を出そう。午後6時、10分だ。

 放送はこの調子で1年中、正確に午前6時50分と午後6時10分を知らせてくれる。なぜ10分ずれるのか。それは福崎町だけではどうしようもない事情だった。

 テスト放送は1989年に始まった。当初、町は午前7時と午後6時ちょうどを計画。しかし、隣接する香寺町(現・姫路市香寺町)と市川町が既に、両時刻に防災行政無線のテスト放送をしていた。

 町境で2種類の放送が重ならないよう福崎町が配慮した、というわけだ。なお、香寺町は姫路市に編入されたが、放送頻度も時間も変わっていない。

 「2回も鳴らす必要があるのか」「時間が中途半端」。今年9月の福崎町議会定例会。無所属の町議山口純氏(37)が指摘したが、町は「点検の意味で回数は減らせない。時報としても染みついてきている」と、理解を求めた。

 同氏によると、放送は動画投稿サイトに「あんなくそダサい曲」とまで書き込まれたというが、その正体は他でもない福崎町歌だ。86年の町制30周年記念で作られた。放送のメロディーはもともと「エリーゼのために」と「浜辺の歌」だったが、町歌を普及させる目的で、2013年から切り替えた。

 緑豊かな播磨路を 清く流れる市川に つばさ広げて西東 文化の誇り高らかに 明日へのびゆく福崎町

 えたいの知れなかったメロディー「タラララン」に、その歌詞を乗せて聞く。確かに脳裏に浮かぶ、この町ののどかな風景。あ、もう午後6時10分か。早く仕事を終えて、明日も朝6時50分に起きて頑張ろう。

西播の最新
もっと見る

天気(12月8日)

  • 12℃
  • ---℃
  • 20%

  • 11℃
  • ---℃
  • 50%

  • 13℃
  • ---℃
  • 10%

  • 12℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ