高齢化が進む兵庫県佐用町・西新宿集落の公民館に、地域住民共用の浴室が完成した。10世帯15人が暮らす山あいの同集落は、ほとんどが80~90代の1人暮らし。万が一、入浴中に倒れたとしても発見が遅れることのないよう、安心して生活できる仕組みを地域ぐるみで作ろうとしている。
西新宿集落では安否確認や健康づくりを兼ねて住民が公民館に集まり、お茶を飲んだり、おしゃべりを楽しんだりするのが日常になっている。「ここにお風呂があれば安心できるのに」いう会話がきっかけとなり、自治会が共用のお風呂を提案。自治会費を使い、2年ほどかけて実現させた。
公民館の押し入れを改修し、シャワーや浴槽、エアコンを備えた浴室が5月半ばに完成。目下、誰が一番風呂に入るかを話し合っている。
副自治会長の竹田満子さん(85)は「集まったついでに入浴を済ませて帰れるのは便利。お風呂の後は皆で健康体操をするのもいいかも」と活用方法を思案する。料金は利用者で等分して支払うという。(勝浦美香)
