西播

  • 印刷
アキアカネが自然羽化した水たまりを観察するNPOメンバーら=たつの市揖西町中垣内
拡大
アキアカネが自然羽化した水たまりを観察するNPOメンバーら=たつの市揖西町中垣内
アキアカネに影響が少ないとされる農薬のみのを使った「たつの赤とんぼ米」=たつの市揖西町中垣内
拡大
アキアカネに影響が少ないとされる農薬のみのを使った「たつの赤とんぼ米」=たつの市揖西町中垣内
羽化したばかりのアキアカネ。淡い赤色は成長すると濃くなる=たつの市揖西町中垣内
拡大
羽化したばかりのアキアカネ。淡い赤色は成長すると濃くなる=たつの市揖西町中垣内

 兵庫県たつの市のNPO法人「たつの・赤トンボを増やそう会」(前田清悟理事長)が、全国で激減しているアキアカネ約90匹を自然羽化させることに成功した。人工飼育を通じて得たノウハウも生かし、念願の野生繁殖につなげた。会の発足から13年目。アキアカネに影響が少ないとされる農薬のみを使った「たつの赤とんぼ米」の普及も進めており、赤トンボの舞う「童謡の里」復活に一歩ずつ近づいている。(直江 純)

 同会の活動拠点はたつの市揖西町中垣内(なかがいち)の休耕田。約1万平方メートルを地権者から借り、まずは人工飼育に挑んだ。宍粟市で交尾後の成虫から卵を採取し、2011年に初めて人工での羽化に成功。13年には専用の「赤トンボハウス」なども建てた。

 アキアカネは赤トンボの代表種だが、全国的に数が減り、兵庫県のレッドリストでは「要注目」となっている。夏の間は涼しい山間部で過ごし、稲刈りが終わったころ平野部に下りてきて水田や湿地に産卵。越冬した卵から4~5月にヤゴがふ化し、6~7月に羽化して成虫となる。

 ただ、近年は数年に1回休耕するなどで乾田化が進み、「産卵できる場所が減っている」と前田理事長。そこで同会は18年秋、ハウス前に人工の水たまりを作り、産卵期を迎えた野生のアキアカネを呼び込む試みを新たに始めた。1年目から卵を産ませることには成功したが、夏までの間にモグラが土に穴を開けてしまい、水が乾いてヤゴが育たなかった。

 昨年はビニールシートを底に張って再挑戦。今年にかけて水がなくならないよう毎日のように見守った結果、6月11日に最初の羽化が確認された。

 幼虫のヤゴではアキアカネかどうかの区別は難しく、羽化した成虫の胴体の模様を確かめた同会のメンバーたちは「間違いなくアキアカネだ」と胸をなで下ろした。

 アキアカネの減少は一部の農薬にも要因があると指摘され、同会は影響が少ないとされる農薬を選んで地元の協力農家と米を栽培する。育てた米は「赤とんぼ米」としてインターネットなどで販売している。

 同会は産卵できる湿地をさらに増やそうと、タケノコに食感が似たイネ科の植物「マコモダケ」の実験栽培にも乗り出している。前田理事長は「中華料理の素材としての収益性にも注目している」と普及の可能性を探っている。

 自然羽化は7月中旬ごろまで続くとみられ、希望者は見学も可能。

西播の最新
もっと見る

天気(8月12日)

  • 33℃
  • 28℃
  • 30%

  • 35℃
  • 25℃
  • 40%

  • 35℃
  • 28℃
  • 20%

  • 36℃
  • 27℃
  • 40%

お知らせ