西播

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たわわに実った矢野メロン=相生市矢野町
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たわわに実った矢野メロン=相生市矢野町
収穫した矢野メロンを手にする農家の松本敏明さん=相生市矢野町
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収穫した矢野メロンを手にする農家の松本敏明さん=相生市矢野町
食べごろを記したシールが貼られている
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食べごろを記したシールが貼られている
メロン畑の水分量を計測する土壌水分計=相生市矢野町
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メロン畑の水分量を計測する土壌水分計=相生市矢野町
矢野メロンを使ったジェラート=赤穂市中広、テテ
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矢野メロンを使ったジェラート=赤穂市中広、テテ

 兵庫県相生市北部、矢野町特産の「矢野メロン」が収穫期を迎えた。生産量が少ないため、流通期間が2週間と短く、「幻のメロン」とも呼ばれる。爽やかな甘さで、高くても1個1620円までと、お手頃。知る人ぞ知る夏の味覚が現在、出荷中だ。(伊藤大介)

 ビニールハウスに入ると、うだるような熱気に包まれた。「室温は40度超えてるから。葉っぱも元気がないでしょう」と、メロン農家の釜地秀徳さん(63)。葉っぱがしおれ、生気を失う一方、丸々とした緑色の実は1・5キロを超える大きさに膨らんでいる。木の養分が実に集まっている証拠だ。

 順調ですね、と声をかけると、妻のみゆきさん(57)は「実が大きくなると、木が弱る。うどん粉病にかかると、あっという間にハウス中に広まる。収穫まで気が休まりません」と苦笑する。

 日々、隅々まで気を配る。葉の裏に病気の兆候はないか、アブラムシは湧いてないか、実の底が割れていないか-。朝から夕方までハウスを出入りし、汗だくになって見て回る。葉っぱや実が密集していると、病気になりやすいため、葉を間引いたり、麻縄で実をつったりして風通しをよくする。「密を避けるのは新型コロナウイルスと一緒」と釜地さんは笑う。

 それだけ手間暇をかけても、付けた実の6割しか収穫できないといわれる。「出荷できたら奇跡のメロン。私はそう思ってるんです」とみゆきさんはほほ笑む。

 30分ほど話を聞いていると、頭がぼんやりしてくる。暑い。たまらず外へ出ると、田畑を吹き抜ける風が驚くほど涼しく感じられた。みゆきさんは「天国の風」と呼んでいるという。

     ◆

 矢野メロンを栽培する農家は7戸。山間部の矢野町で「特産品を作ろう」と約30年前に矢野メロン部会を結成した。当初、栽培方法は手探りで、小ぶりの実が多かったという。試行錯誤の末、大玉を育てられるようになった。値段が手頃なこともあって、相生の特産品として定着した。

 一時は20戸を数えたが、高齢化で担い手は減りつつある。「足腰が弱ってきたり、目が悪くなってアブラムシやハダニが見えなくなったりしてね」と釜地さん。矢野メロン部会は新規就農者に門戸を開き、メロン作りに挑む人たちを支援している。

 矢野町の松本敏明さん(67)は就農2年目。会社勤めを定年後、田畑にビニールハウスを構えた。

 栽培の勘所を一つ一つ実践する。木は節ごとにテープで支柱に固定すること、実が大きくなる時は水をたっぷり与えること、硬くなる時期には水やりを絞ること-。メロン部会は今年から全農家に土壌水分計を配り、データもにらみながら水分を調整する。松本さんは「梅雨にざあっと降られると、パッカーンと割れてしまう。土壌に合わせた水分調整が大事だと教わりました」と感謝する。2年目ながら、大玉が鈴なりに実った。

■収穫12~15日後 完熟で食べごろ

 矢野メロンは食べごろが1玉ずつ、シールで貼ってある。収穫日の7~10日後と設定しているが、ある農家は「本当は収穫から12~15日後くらいが完熟でおいしい」と明かす。果肉全体が柔らかくなり、甘みが増す。「15日たって傷んでしまうと申し訳ないので、そう公言していませんが」と説明する。

 常温で追熟し、メロンの下部、いわゆる「お尻」の部分を押して、弾力が出てくれば食べごろだ。ただ、「お尻を押す」という行為を何度も繰り返すと、押した部分から傷むため、「完熟の確認方法としてはお勧めしていない」という。

 ゆえに、矢野メロンでは食べごろをシールで示している。さらなる完熟を求める方は自身の判断でお尻を押してみてください。

 矢野メロンは6月27日から7月上旬ごろまで、約4200玉を出荷。道の駅あいおい白龍城や相生市内の農産物直売所に並ぶ。

■ジェラート、アイスも人気

 矢野メロンは、ジェラートやアイスクリームにして味わうのも人気だ。

 赤穂市のジェラート店「TETE(テテ)」は今月1日、矢野メロンを使ったソルベ(牛乳を使わないシャーベット)の販売を期間限定で始めた。

 口に含むと、本来の果実と変わらぬ爽やかな甘みが広がる。牧場直営の同店は「矢野メロン本来の甘みを生かすため、あえて牛乳を用いないソルベにした」。仕入れた矢野メロンがなくなり次第、販売を終える。シングル360円、ダブル460円。テテTEL0791・56・6860

 また、相生産業高校の生徒が開発し、佐用町のあいす工房さなえがつくるアイスクリーム「メローネあいす」は、道の駅あいおい白龍城などで販売している。白龍城TEL0791・23・5995

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