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4年前の8月に開催された「平松武者踊り」(平松武者踊り保存会提供)
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4年前の8月に開催された「平松武者踊り」(平松武者踊り保存会提供)

 4年に1度、お盆の夜に開かれる兵庫県佐用町平松の祭り「平松武者踊り」。住民がよろい武者や鬼ばばなどに扮(ふん)して暗闇を舞う姿は独特で、会場の吾勝(あかつ)神社には毎回300人近い人が訪れる。今年はその開催年に当たるが、踊りの保存会は中止を決めた。理由は新型コロナウイルスというよりも、担い手不足が大きい。会長の紙名(かみな)保夫さん(68)は「次回4年後も開催は難しいかもしれない」と伝統の継承に焦りを募らせる。(勝浦美香)

 旧南光町の平松集落に伝わる踊り。地域にかつて存在した山城「徳久城」の城主に奉納していたという説や、首塚の供養として踊っていたという説があり、江戸時代から続くとされる。戦後に一度は途絶えたが、紙名さんの祖父らが中心となって復活させ、町の無形文化財にも指定された。

 開催年の8月14日の夜、よろい武者や刀、なぎなたを持った武士、女形や鬼ばばたちが現れ、公民館から吾勝神社までをゆっくりと歩く。神社に到着後、地域内のOBが務める「世話役」に囲まれて約7分間、飛んだりかがんだりしながら激しく舞う。浄瑠璃の音頭に合わせ、歌舞伎の合戦や敵討ちの場面を表現した踊りで、振り付けや衣装は全て口伝えによるものだ。

 紙名さんによると、「中学生が踊ってもへとへとになるほどの運動量」で、踊り手となる男性の大半が10~20代。地域では少子高齢化が進み、十分な人数を確保するのが難しくなっているという。今回は15人が名乗りを上げたが、集落の総会で「少なくとも19人はそろわないと見栄えが悪い」という意見が多く、中止を決めた。

 魅了された他地域の住民から「祭りに参加したい」「自分も踊りたい」という声も寄せられるが、紙名さんは「集落以外から人を集めてしまうと、それは『平松の武者踊り』ではなくなってしまう。やはり平松だけで続けていかなければ-というのが、地域の意見なんです」と思いを語る。

 平松集落に暮らすのは現在約60世帯。小さな子どもは少し増えたが、30代までの世代は少ないままだ。「武者踊りは地域の誇り。次に開催できる日まで何とか語り継ぎ、残していかないといけない」。伝統文化が岐路に立つ今、紙名さんは改めてその意義をかみしめている。

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