西播

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944種類の花をスケッチした白井章子さん。手前が1作目のシュウカイドウ。取材時にはちょうど実物も咲いていた=たつの市
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944種類の花をスケッチした白井章子さん。手前が1作目のシュウカイドウ。取材時にはちょうど実物も咲いていた=たつの市

 庭や家の中で育てる草花をテーマに、日本画のスケッチを続けている女性がいる。兵庫県たつの市の主婦白井章子さん(78)。最愛の夫と死別し、寂しさを紛らわせようと描き始めた一連の作品は、20年間で944種類に上る。今ではすっかりライフワークとなり、目標とする千種類の達成に向けて次に種をまく花を探している。(直江 純)

 子育ての傍ら、趣味で日本画を始めたのは40年ほど前。夫の徹さんは1999年に62歳で死去した。龍野実業高(現龍野北高)で長く建築を教えた夫は、妻のために自宅2階にアトリエを作るなど、創作を応援してくれていた。

 夫の葬儀後はふさぎ込み、絵を描く気持ちになれなかったが、翌2000年10月、咲いていたシュウカイドウ(秋海棠)を見てポストカードに水彩で表現してみた。ピンクのかわいらしい花が、少し明るい気持ちにさせてくれた。

 それから、庭の花は何でも絵に描いてみた。雑草のオオバコを観察すると、小さな白い花びらが付いていた。みんなけなげに生きている。いとおしくなった。ホームセンターなどで種や球根を買い、色や形の違う園芸種も描き分け、時系列とアイウエオ順に記録して重なりを避けた。

 使う紙はカードからスケッチ帳、和紙と少しずつ大きくなり、絵の具も水彩から顔彩に変えた。海外赴任していた次男が現地の花を土産にくれたり、友人が「これはもう育てたことある?」と種を送ってくれたりで、題材となる花はまだまだ尽きそうにない。

 「千種類に到達するまで、元気でいないとね」と章子さん。花は写真に撮らずに、開花中に直接観察して描く。「じっと見ていると、この角度がいいよと花が教えてくれるんです」。これまでの作品を見詰めながらそう話すと、満開の笑顔を咲かせた。

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