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新病院の建設用地として宍粟市が先行取得した工場跡地=宍粟市山崎町中比地
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新病院の建設用地として宍粟市が先行取得した工場跡地=宍粟市山崎町中比地

 兵庫県宍粟市は、宍粟総合病院を移転して2026年度の開院を目指す新病院の基本構想を策定した。建設予定地は同市山崎町中比地の工場跡地とし、地域医療の中核として現病院の規模や役割をおおむね踏襲する考えなどを示した。ただ、この土地は市のハザードマップで最大3メートルの浸水が想定され、市の南端に位置することから通院の利便性低下を懸念する声もある。構想策定までの1年間の議論を踏まえ、主な論点を整理した。(古根川淳也)

■高度医療は他院と連携

 新病院は地域の医療拠点と位置付け、入院や手術に対応する2次救急、小児・周産期医療、内科・外科などの一般医療に取り組むとした。また高齢者に医療、介護、生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の基幹病院としての役割も明記した。

 ただ具体的な診療科名には触れず、現在199ある病床数についても新病院の規模は示さなかった。

 市民1252人が回答した昨年9月のアンケートでは、高度・専門医療への期待が14・8%と2番目に高かったが、高度医療や重篤な患者を対象とする3次救急については、姫路市内の医療機関などと連携して対応するとした。

■施設に浸水被害対策

 建設予定地は100年に1度の大雨を想定した市のハザードマップで0・5~3メートルの浸水が想定され、工場時代にも1度浸水したことがあるという。検討委の議論でも「大型発電機や高額の医療機器を2階以上に設置しなければならず、建設費が高騰する恐れはないか」などの懸念が出た。

 基本構想では「災害対応病院として多数の傷病者の受け入れと医療提供ができる環境を構築する」としており、山崎断層地震などで負傷者が集中しても緊急的な対応ができる施設にする考えを示した。

 水害に対しては建物に浸水対策を講じると記したが、具体的な工法について市は「設計段階で検討」とするにとどめた。また、病院周辺が冠水した状況での患者受け入れについては「水害では負傷者が少ない傾向があるが、現実に発生すれば姫路の災害拠点病院に搬送されるだろう」とした。

■数字の一人歩き懸念

 宍粟市の人口は40年には2万2千人に落ち込むと予測され、市は建設費と借金返済の見通しを示して財政負担を明確にすることを模索した。検討委では病床数199床と179床で4パターンの試算をしたほか、建設費を100億円と仮定して借金返済の見通しもシミュレーションした。

 だがいずれも正確な金額ではなく、「数字の一人歩き」を懸念して基本構想に盛り込むことは断念した。市民説明会では、仮定の金額を使った概算を説明するという。

 また同病院は19年度決算で22年ぶりに純損益が3800万円の黒字になった。医師が増えた効果だといい、今後も新病院建設に向けて経営改善に取り組みたいとした。

■22日から説明会

 市は22日から市内5カ所で開く市民向けの「タウンミーティング」で基本構想の内容を説明する。会場で出た意見は基本計画にも反映させる。開催日の前日までに市秘書広報課(TEL0790・63・3115)に申し込む。日程と会場、定員は次の通り。時間はいずれも午後7時~8時半。

 22日、11月4日=宍粟防災センター(定員60人)▽10月27日=はりま一宮小(同80人)▽28日=波賀B&G海洋センター(同50人)▽30日=千種小(同50人)

【宍粟総合病院建て替え】宍粟市は2019年1月、新病院建設用地として約3万9千平方メートルの工場跡地を約6億6千万円で取得。同年10月に新病院の基本構想を策定する検討委員会を設置し、神戸大医学部教授や開業医、市民ら15人で4回の議論を重ねた。検討委の資料や議事録は市ホームページで公開している。

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