兵庫県たつの市御津町室津のまちづくりグループ「『嶋屋』友の会」が、会報誌「むろのつ」第28号を発刊した。今回は「妖怪の世界」を特集。コロナ禍でにわかに注目を集めた「アマビエ」など、妖怪と人とのつながりを多角的に分析している。
巻頭では、国際日本文化研究センター前所長の小松和彦さんにインタビュー。妖怪研究の第一人者が、日本人の判官びいきなど妖怪人気の文化的背景を解説し「『YOKAI』のローマ字が世界でも流通するようになった」と紹介している。
国学院大の飯倉義之准教授の寄稿では、江戸時代に「化け物」と呼ばれたものが井上円了や柳田国男によって「妖怪」となった「割合に新しいことば」と指摘。播磨学研究所の小栗栖健治副所長は江戸中期に出版された「西播怪談実記」から化け猫やカッパの逸話を紹介している。
B5判53ページ。500部発行。千円。室津海駅館(TEL079・324・0595)で販売している。(直江 純)
