兵庫県赤穂市東有年と西有年にまたがる住宅地「はりま台」で、荒れ地になっていた公園を住民が再生している。丘の斜面にあり、桜の木が倒れるなどしていた。住民らは不要な木を伐採し、自宅の庭から花を持ち寄って花壇に植えた。「子どもからお年寄りまでが集う憩いの場に」と汗を流す。
はりま台第2児童遊園の「東公園」で広さ約2400平方メートル。開発業者が倒産し、公園の土地は市の所有に移ったが、草木が伸び放題になっていた。
住民によると、約40年前にソメイヨシノが植えられたが、虫が付いて腐食したり、倒れたりした。87世帯の自治会は市に相談して許可を受け、今年4月、約30本を伐採。4トンの重機を借りて車の進入路を造り、木の根を抜いた。枯れていない4本の桜は残した。
土の中から出てきた庭石のテーブルや椅子を再利用し、平らな部分に置いて休憩場所に。上り下りしやすいように階段には手すりを付けた。公園の周囲にはシカやイノシシよけの柵を市が設置する予定だ。
8日には住民ら約20人が五輪をイメージし、五つの輪のように石で囲んだ花壇を造った。地元企業からもらった肥料をまき、持ち寄ったシバザクラやグラジオラス、ゴマなどを植えた。
移り住んで46年になるという男性(75)は「みんなが声を掛け合う地域。公園造りで近所付き合いがさらに深まる。景色を楽しみ、身も心も安らぐ場所に」と話す。望月守代自治会長(57)は「公園が見違えるように明るくなった。市役所頼みではなく、住民の手で楽しめる場所に」と意気込む。(坂本 勝)
