兵庫県たつの市の国民宿舎「赤とんぼ荘」と「志んぐ荘」の2020年度の収支見込みが計約1億5千万円の赤字となることが25日、分かった。コロナ禍の影響で売り上げが激減したが、「災害」に準じる場合は市が指定管理者に赤字を補填(ほてん)する契約となっているため、支払いが必要になるという。
両施設はいずれも共立メンテナンス(東京)が指定管理者だが、赤とんぼ荘は来年3月末で契約が終了。後継企業が見つからなかったため、山本実市長は18日に開いた市民向けの意見交換会で、宿泊施設としては休業し、1年間は喫茶店など一部に限って暫定利用する方針を明らかにした。
両施設の赤字額は16~18年度は計約1200万~2200万円だったが、コロナ感染が広がり始めた19年度は約7500万円に。20年度も赤とんぼ荘で3千万円超、志んぐ荘で1億円超の赤字が見込まれ、消費税を加えた合計は約1億5千万円になる。
通常の赤字は共立メンテ社が負担するが、コロナ禍は契約上の「災害等」に当たり、市が補填する必要がある。市は今後編成する21年度一般会計当初予算案に必要額を計上する方針。
また、喫茶店部分などの営業については従業員の雇用維持を考え、共立メンテ社に委託できないか交渉するという。(直江 純)
