相生市役所(兵庫県相生市)に疫病よけの妖怪「アマビエ」のかかしが登場した。新型コロナウイルスの影響で、11月に計画されていた「羅漢の里もみじまつり かがしコンテスト」は中止が決定。このため出品を予定していた同市の新人職員たちが、コロナ収束を願って高さ約2・5メートルの大作を仕上げた。
同コンテストでは、その年に話題になったスポーツ、政治、芸能をモチーフにしたかかしや、昔話の登場人物をモデルにした作品など約千体が自然公園「羅漢の里」(同市矢野町瓜生)周辺の農道に並ぶ。同市の新人職員が出品するのも習わしだった。
コンテストはなくなったが、「少しでも市民に明るい気持ちになってもらえたら」と、入庁1年目の事務職13人が制作に取り掛かった。市職員の互助会である「相生市職員共済会」から材料費8千円を得て、終業後に週2、3日集まり、約1カ月かけてアマビエを完成させた。
胴体には、カキ養殖に用いる円柱型の発泡スチロール(長さ約1メートル)を二つ組み合わせて、ピンクや青に塗った紙皿を張り付けて鱗(うろこ)を表現。髪の毛にはカラフルなビニールテープを使った。頭からは緑色の葉っぱも生やし、2005年に市内の路上で見つかった「ど根性大根」の要素を盛り込んだ。
社会人枠で今春入庁した農林水産課の男性(38)は「疫病退散の思いを込めて作った」と話した。12月末まで設置している。(伊藤大介)
