東日本大震災から10年 赤穂高生が鎮魂の灯籠

2021/03/11 05:30

鎮魂の灯籠を作った赤穂高校定時制の生徒ら=赤穂市海浜町

 東日本大震災の発生から丸10年となるのを前に、赤穂高校(兵庫県赤穂市海浜町)定時制の生徒が、犠牲者を追悼する灯籠を作った。例年3月11日に市役所前で開かれてきた「絆ラーメンを味わう集い」は、新型コロナウイルスの影響で昨年に続いて中止が決まったが、生徒が作った灯籠は市役所エントランスホールに設置された。集いの実行委は、来庁者らに被災地へのメッセージや思いを書いてもらうメモ用紙も準備した。 関連ニュース 兵庫北部で大雪警報 県が災害警戒本部設置 「指導だという思い込み、事実確認も報告もせず責任痛感」 城陽小暴言・体罰問題で校長が初の会見 「相談窓口、周知不十分」「教員配置まで決められず」 姫路市教委、城陽小暴言・体罰で釈明

 灯籠はビニールパイプの表面に多数の穴を開けて絵柄や文字を表し、中から明かりをともす。長さ2メートルのパイプ6本中、1本には「絆ラーメンを味わう集い」の文字を入れ、浮かび上がるようにした。
 江戸期に赤穂の塩作りが伝わった宮城県気仙沼市では、津波で流された製塩体験施設が2012年に再建された。気仙沼の塩は友好の証しとして赤穂へ届けられ、13年から市民らの実行委が集いを開催。両市で作られた塩を混ぜて使う「絆ラーメン」などを販売し、売上金を気仙沼の階上(はしかみ)観光協会に寄付してきた。
 赤穂高定時制の生徒は15~17年に気仙沼でボランティア活動に取り組み、18、19年には熊本地震の被災地を訪問した。東北は同校の支援活動の原点だという。
 灯籠を作った1年の生徒2人(16)は「思いを込めて作った。被災者に少しでも気持ちが届けば」、2年の生徒(17)は「震災を風化させず、子どもたちに知ってもらうきっかけに」と話していた。(坂本 勝)

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