セキレイのひな、寝床はトラック 業務用車のすき間に営巣

2021/04/28 05:30

トラックのすき間で育つセキレイのひな(矢木醤油提供)

 1906(明治39)年創業のしょうゆメーカー「矢木醤油」(兵庫県たつの市揖保町門前)に、思わぬ“来客”が現れた。セキレイのつがいが業務用の4トントラックのすき間に入り込み、巣を作ったのだ。平日は毎日配送に出るが、夕方には車庫に戻ると知っているようで、ひなたちに餌を与えようと車両の帰りを待ち構えている。(直江 純) 関連ニュース 避難指示や通行止め…土砂災害や交通の乱れが相次ぐ 大雨続く兵庫県内 高速道トンネルで側壁から水が噴き出す 山陽自動車道で6時間超通行止め 7日朝、兵庫で強い雨 一部警報、JR見合わせも

 社員が巣に気付いたのは今月20日。運転台の床下で既にひな数羽が卵からかえっており、翌日にはかわいらしい鳴き声を上げ始めた。走行中に巣が壊れないかと心配したが、くぼみにうまく固定された状態になっているという。
 同社には、遠方に出荷する運送会社のトラックも出入りしているが、つがいが巣を作ったのは日帰り配送用のトラックで、社内では「車両を見分けたのだろうか」と話題に。ヘビなどの外敵から身を守ることができる上にエンジンからの熱で温かく、セキレイにとっては一等地なのかもしれない。
 衛生面を重視する食品会社とあって屋根裏には防鳥ネットで巣を作らないように自衛していたが、今回は鳥が一枚上手だった。ドライバーの男性(54)は「いつも以上に安全運転に努めます。無事に巣立つところを見てみたいですね」と目を細めていた。

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