「ひょうきん族」のたけし、さんままで2万427人掲載 忠臣蔵演じた役者を名鑑に
2021/07/13 05:30
「忠臣蔵と四谷怪談を演じた役者たち」を発行した矢野圭吾さん=赤穂市役所
赤穂市史や市史続編「忠臣蔵」(全7巻)の編集に携わった元同市市史編さん担当の矢野圭吾さん(74)=兵庫県赤穂市=が、名鑑「忠臣蔵と四谷怪談を演じた役者たち」を自費出版した。1708(宝永5)年から2019年までに「忠臣蔵」と外伝の代表作「東海道四谷怪談」を演じた役者延べ2万427人を五十音順に掲載。歌舞伎役者やお笑い芸人ら忠臣蔵世界の広がりを示す。(坂本 勝)
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明石家さんまさんが妖怪人間だった頃
矢野さんは1966年から市役所に勤務。退職まで41年中の28年、市史編さんを担当した。事務職として配属され、「『門前の小僧習わぬ経を読む』の例え通り、仕事をしながら勉強を続けた」と振り返る。
出版の基となったのは「忠臣蔵」第5巻の編集だった。忠臣蔵の歌舞伎や芝居、浄瑠璃の上演、映画・テレビ作品や海外のオペラまでを調べ、年表を作った。忠臣蔵の記事や番組を新聞などで探し、記録することが日課となり、ライフワークとして今も続ける。
完成した名鑑はA4判で上巻738ページ、下巻844ページ。歌舞伎や新劇、バラエティーの寸劇、舞踊、バレエなどの舞台芸術やラジオ・映画・テレビ作品で19年4月までの出演記録を収めた。役者の名前や生没年、上演場所や年月日、役名などを男女別に記した。「役者の個人別出演リストは見たことがなかった」と言い、役者ごとに出演作品が分かるように工夫した。
初代中村鴈治郎(がんじろう)が172回と最も多く出演したことや、ビートたけしさんや明石家さんまさんがテレビ番組「オレたちひょうきん族」で演じたことも分かる。記載演目は延べ8901件に及んだ。
70歳を過ぎ、3年7カ月かけて完成させた矢野さんは「忠臣蔵研究の一助になれば。パソコンが壊れて使えなくなるまで、資料収集は続けると思う」と笑った。
100セット作製。赤穂市立図書館や県立図書館などに寄贈。希望者には1セット2万3千円で販売。