広島原爆投下から76年 平和祈り鐘鳴らす 相生、姫路
2021/08/07 05:30
相生市の谷口芳紀市長(左端)や非核平和展で入賞した子どもたちが長崎の鐘を鳴らした=相生市役所
広島への原爆投下から76年を迎えた6日、兵庫県相生市や姫路市では関係者らが鎮魂の鐘を鳴らし、平和への祈りをささげた。
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相生市役所では、長崎市から贈られた「長崎の鐘」を鳴らす平和祈念式典が開かれた。長崎市の平和公園の鐘を複製したものが相生市に寄贈されて以来、2003年から式典が実施されてきた。被爆者の高齢化が進み、今年は初めて被爆者の参加がゼロになった。
代わって非核平和展で絵を描き、最優秀賞となった川原彩華さん(11)、優秀賞の濱野杏さん(11)が相生市の谷口芳紀市長らと鐘を鳴らした。広島の原爆に関する本を読んだという川原さんは「式典に出させてもらったのはありがたいこと」と神妙に話した。
姫路市網干区宮内の円勝寺でも鐘が鳴らされた。「新日本婦人の会姫路支部」のメンバー6人が参加した。
同寺によると、鐘は戦時中の供出で一時なくなり、終戦の数年後に新調したという。原爆投下と同じ時刻の午前8時15分、青空に鐘の音が響くと、参加者たちは原爆で亡くなった人々の冥福を祈った。
同支部の女性(74)=同市=は「世界から核がなくなるよう祈りを込めた。今年は核兵器禁止条約が発効したので、日本政府も一刻も早く批准してほしい」と話した。
相生市役所、円勝寺は長崎に原爆が投下された9日にも鐘を鳴らす。(伊藤大介、安藤真子)