「『ワクチンで不妊』は悪質なデマ」 専門医が予防効果を強調

2021/09/10 05:30

オンラインで講演した進藤達哉医師=龍野経済交流センター

 新型コロナウイルスをテーマにしたオンライン講演会が8日、龍野商工会議所の主催で開かれた。視聴用のスクリーンが設けられた龍野経済交流センター(兵庫県たつの市龍野町富永)の参加者を含め、約60人が聴講。感染症専門医の進藤達哉さんが「完璧な予防策はない。ワクチンを打って不織布マスクを使おう」と呼び掛けた。 関連ニュース ワクチン「今は打たない」「まだ見送る予定」ママたちが選択する理由 接種をめぐるリアル体験談 ワクチン「打たぬ選択ない」免疫学の第一人者、慎重姿勢を一転 データで安全確信 「7分袖のワンピで大失敗」ワクチン接種した医療従事者が、アドバイスをまとめたイラストが話題 経験した副反応も紹介

 同商議所のコロナ対策を指導する進藤医師は「コロナは単なる風邪」との俗説を「そんな甘い認識の専門医は皆無」と否定。「39度の熱が5日続いても軽症扱い」が実情といい、「『若者は軽症が多い』と侮ってはいけない。後遺症も油断できない」と警告した。
 中でも感染力の強いデルタ株は毒性も強く、ワクチン接種者も感染しやすいが「接種後の重症化予防効果は高い。子どもも含め、できるだけ打つべき」と強調。「『ワクチンで不妊になる』は悪質なデマ」とも説明した。
 マスクの選び方では「ウレタンや布はフィルターとしての性能が低い。在庫が十分ある今は不織布しか選択肢はない。正しく装着すれば医療用に近い効果がある」と念を押した。
 治療薬候補のイベルメクチンやアビガンは現時点では有効性が確認できていないといい、「軽症者には抗体カクテル療法が現在唯一の治療法。関西のホテル療養でも使えるようになってきた」と期待を述べた。(直江 純)

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