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10月中旬に開かれた東栗栖小学校の統合案を協議する会合。コロナ禍で開催スケジュールは遅れがち=たつの市新宮町能地、東栗栖コミュニティセンター
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10月中旬に開かれた東栗栖小学校の統合案を協議する会合。コロナ禍で開催スケジュールは遅れがち=たつの市新宮町能地、東栗栖コミュニティセンター
休業している国民宿舎「赤とんぼ荘」の内部。景観には優れるが、建物は老朽化が激しい=たつの市龍野町日山
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休業している国民宿舎「赤とんぼ荘」の内部。景観には優れるが、建物は老朽化が激しい=たつの市龍野町日山
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 任期満了に伴う兵庫県たつの市長選が24日に告示、31日に投開票される。現在、名乗りを上げているのは現職と元職で、2人による対決は2013年、17年に続き3度目となる。人口減少が続く中、新型コロナウイルス禍にも見舞われたまちの活力をどう取り戻し、維持していくのか。市政の課題を探った。(直江 純)

 たつの市は2005年10月に旧龍野市と新宮、揖保川、御津の3町が合併して発足した。当時約8万3千人だった人口は現在、7万5千人にまで減少。市はこの傾向が続くと、27年には7万2千人を切ると予測している。

■人口減少と少子化

 少子化が最も影響するのは学校規模だ。全校児童が29人と市内最少だった旧御津町の室津小は今年春、御津小と統合された。2月10日に発表してから2カ月足らずでの統合に、御津小側の保護者の間には戸惑いの声も広がった。

 強引な行政主導の手法だと思われがちだが、実態は違った。室津地区の自治会関係者は「室津の保護者が早期統合を求め、むしろ行政は押し切られた」と解説する。通学バスは用意が間に合わず、1学期はタクシーに分乗して通学した。

 ただ、同様に小規模校が多い旧新宮町は様子が異なる。統合案を協議する各校区の会議はコロナ禍で延期が相次いだ。統合の是非や校区の枠組みについても住民間で多様な意見があり、市教委は慎重に議論を進める方針だ。

■レトロ動物園に批判

 龍野城下の西端に、入場無料の「龍野公園動物園」がある。1954年度開園のレトロな憩いの場だが、この夏、全国ネットのワイドショーでやり玉に挙げられた。「5年間で47匹が死ぬ」「夜間は無人なのに24時間開放」。視聴者から市に抗議が殺到した。

 47匹にはモルモットやカモなど寿命の短い小動物も多数含まれていたが、カニクイザルの中にはボス猿に餌を奪われるなどし、栄養失調で死んだとみられるケースも。市は「動物福祉の意識が急速に高まる中、設備や人員体制に時代遅れの面はあった」と認める。

 近年は夜間のトラブルも特になかったが、市は批判を受けて午後5時での閉園を決めた。9月に外壁設置の補正予算を組んだが、一部愛護団体に要求された獣医師の常駐などは財政上、困難という。

■施設管理の課題山積

 集客施設の課題はほかにもある。城下は2019年に重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選ばれたが、一帯で市が直接管理するのは龍野歴史文化資料館など少数に限られる。

 「三木露風生家」「旧脇坂屋敷」「武家屋敷資料館」など由緒ある建物は、自治会などに管理を委託。専門スタッフではなく、住民がボランティア的に観光客に対応しているのが現状だ。

 今年春、民間から市立に移管した文人顕彰施設「霞城館」も体制は十分ではない。8月に三木露風と宮沢賢治の交流が所蔵資料から判明したが、外部の研究者が指摘するまで、市は資料の価値に気付いていなかった。

■観光需要復調なるか

 市が所有し、3月末から休業が続く国民宿舎「赤とんぼ荘」の再活用も難題だ。高度成長期には市の財政を潤したが、老朽化で近年は赤字続きだった。市は喫茶のみを暫定営業し、全体の活用案については選考手続き中だが、旧館部分は耐震性が不足している。

 内部を見学した事業者は「ここまで傷みが激しいとは。相当なてこ入れが必要」と漏らす。市内部には更地にして売却する案もあったが、地元では「地域のシンボル。建物を残して」との声も根強い。

 市内では最高級ホテルだった民間の「シーショア・リゾート」も20年春から休業したまま。長期化しているコロナ自粛の反動で、今後は国内旅行需要が急速に高まる可能性もある中、次期市長は観光振興の手腕も問われることになる。

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