浮かび上がる作風の違い 陶芸大家と息子の作品展

2021/10/17 05:30

濱田庄司親子らの作品=たでのはな美術館

 第一人者の陶芸家親子3組の作品を紹介する「陶芸親子展」が、兵庫県赤穂市尾崎の「たでのはな美術館」で開かれている。重要無形文化財保持者(人間国宝)ら、大家の父を持つ子がいかに継承し、乗り越えたか。作風の変遷や違いが36点から浮かび上がる。 関連ニュース 元TBSアナウンサーの久保田智子教育長、高校統合や不登校児童の支援へ意欲 姫路市役所で就任会見 これぞ日本の美 桜と姫路城の調和、訪日客もうっとり 夢の看護師を目指し第一歩 姫路の専門学校で入学式

 益子(ましこ)焼の濱田庄司は簡素な造形で上薬の流れ出る模様を大胆に表現。次男晋作、三男篤哉(あつや)は父の教えに独自の工夫を凝らした。
 備前焼の藤原啓(けい)の陶器は素朴でおおらか。視覚障害者の長男雄(ゆう)はふっくらした独自の焼き物を追究。次男敬介(きょうすけ)は柔らかみのある備前志野焼を生み出した。
 薩摩焼の14代沈寿官(ちんじゅかん)の絵柄は繊細で美しい。15代は虫の姿を器に入れるなど遊び心で世界を広げた。
 佐野正幸館主は「名工の父を息子がどう超えていくかが見て取れる」と話す。11月23日まで。午前10時~午後4時。水曜休館。200円(小学生以下無料)。同館TEL090・3496・4282
(坂本 勝)

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