新型コロナウイルス禍は私たちの生活を一変させた。「お出掛け」や「お食事」など、日々の暮らしに彩りを添える楽しみを奪われ、不要不急でないはずの通勤や通学でさえも一時は控えざるを得なかった人も多い。
そのあおりで大きなダメージを受けた産業の一つに鉄道がある。JR西日本が今月17日に発表した来年3月のダイヤ改正では、全エリアで200本以上が減便される。駅ビル開発など関連事業への影響も大きい。35年前の国鉄民営化で発足したJR西は今、大きな岐路に立つ。
その兵庫・播磨の玄関口、姫路駅周辺は近年、大きな変貌を遂げた。市街地を南北に分断していた駅の高架化が完了したのは2008年。再整備の目玉だった文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」が今年9月に開業した。来年5月に新県立病院が完成すれば、施設整備は区切りとなる。
姫路駅から各方面に延びる鉄道網も節目だ。「夢の超特急」として1964年に誕生した東海道新幹線に続き、72年3月、姫路、相生を含む新大阪-岡山間で山陽新幹線が先行開業。来年3月で半世紀となる。赤穂線は今年12月に70周年を迎えた。
鉄道は人やモノを運び、駅はその結節点となってきた。新しい年を前に、私たちは駅をテーマに取材を重ねた。温故知新。先人の思いと、今を生きる私たちの願い。駅から生まれた無数のドラマの一端を紹介したい。
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元日付から、姫路版で「ザ・姫路ターミナル」、西播版で「駅から始まるエトセトラ」と題した連載をお届けします。どうぞお楽しみください。(姫路本社編集部一同)
