宍粟・氷ノ山の5人遭難事故 入山3日、状況刻々変化 4人救助までのドキュメント

2021/12/28 20:30

遭難した5人の救助に向かう捜索隊員=宍粟市波賀町戸倉

 氷ノ山(兵庫県)の宍粟市側へキャンプに訪れていた男性5人が遭難した事故は、4人が28日午後にヘリで救助され、山中で残る1人の捜索が続いた。5人の入山から丸3日。男性らから消防や警察に入る電話で状況は刻々と変化した。発生後の動きなどを追った。 関連ニュース 8歳、命懸けで目指した38度線 ソ連軍から身を隠し、山越え120キロ 氷ノ山で遭難した4人、命に別条なし 積雪1m超、体力奪う氷点下の寒さ 遭難者の無事祈る地元住民ら

 【25日】
 男性らが家族に「キャンプに出掛ける」と伝えて出発。
 午後1時ごろ 宍粟市内の国道29号を男性らの車3台が通過。カメラ映像が記録していた。
 【26日】
 午後8時 本来の帰宅予定。
 【27日】
 午前10時ごろ それぞれの家族が「帰宅しない」と警察に届け出。
 午後2時 県警が10人態勢で捜索を開始。雪に阻まれ難航。
 同6時20分ごろ メンバーの1人が南但消防本部(朝来市)を通じて西はりま消防本部に通報。「道に迷った。1人は山中で動けなくなった」。地図アプリの衛星利用測位システム(GPS)でおおむねの緯度と経度が判明。電波状態が悪く、その後は携帯電話がつながりにくくなる。
 同10時50分ごろ 再び通報。内容は午後6時20分ごろの通報と同じだった。
 【28日】
 午前9時前 27日とは別のメンバーの1人から家族に電話があり、4人の生存を確認。「登山口を目指して下山している」との情報が入る。
 同10時ごろ 国道29号沿いに設置された現地本部から捜索隊が出発。
 同10時20分ごろ 南但消防本部に連絡があり、西はりま消防本部に転送。「4人で歩いて下山している」。寒さや震えはあるものの、歩行には支障がない様子と分かる。
 午後0時50分ごろ メンバーから西はりま消防本部に電話がつながる。引き続き4人で下山中で「1分間に10メートルほどのペースで雪をかき分けながら進んでいる」。
 同1時15分ごろ 県警のヘリが現場上空に到着し、旋回しながら付近を捜索。
 同1時半すぎ 県警のヘリが4人の姿を確認。つり上げによる救助を検討。
 同2時すぎ 県警ヘリが2人を救助。2人はかみかわ緑地公園(宍粟市山崎町)までヘリで運ばれ、救急車で姫路市内の病院へ。目撃者によると「自力でヘリから降りていた」。
 同2時半ごろ 別のヘリが現場に到着。
 同3時すぎ 残る2人を救助。同じくかみかわ緑地公園から救急車で搬送された。
 同3時20分ごろ 救助隊員らが下山。

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