白血病と骨髄移植経験の看護師、実家を「がん患者の家」に改装 無料で悩み相談、くつろぎの空間に
2022/03/22 05:30
太田直美さん(右端)の実家を改装した「はまなすの家」=太子町米田
がん患者会「はまなすの会」の常設拠点「はまなすの家」が4月、兵庫県太子町米田にオープンする。骨髄移植を経験した看護師太田直美さん(60)が築約40年の実家を改装。全員がボランティアで運営し、利用は原則無料。会員以外でも不安や悩みを打ち明けられる場を目指す。(直江 純)
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太田さんは同県たつの市職員としてたつの市民病院や市健康福祉部に長年勤務。急性骨髄性白血病になり、骨髄移植は成功したが、体重が16キロ減ってペットボトルのふたを開けられないほど衰弱した。
「看護師の私でさえ不安が大きかった。がんの悩みは誰にでも話せるものではない。西播磨にも患者会をつくりたい」と思い立った。2017年に会を結成して代表を務めている。
月1回、医師らを講師に招く例会を続けてきたが、今春の定年退職を機に、空き家になった実家を常設拠点に活用する。クラウドファンディングで寄せられた約300万円に私財も加え、トイレを増やすなど改修した。
脱毛した人向けの帽子を作る教室などを4月5日から開く。ソファをあちこちに置いてくつろげる空間にし、裏庭の菜園では土いじりも楽しめる。
認知症支援の経験も豊富な太田さんは「がん患者だけでなく、高齢者の相談にも乗りたい」と意気込み、副代表で社会福祉士の清水敦子さん(61)と2人で、ほぼ毎日常駐するという。
ランチ会などは実費が必要。闘病中の痛みに配慮した寝具も紹介(販売はしない)。午前9時~午後5時。土日祝も開放(平日を含め月数回不定休あり)。はまなすの家TEL079・277・2764