「総選挙!」で選ぶ新制服 たつの市の中学校、生徒の案、投票で決定
2022/07/30 05:30
決定した制服見本を着用し、オンラインで校内に報告する茂末歌子さん(左から2人目)ら=龍野東中学校
龍野東中学校(兵庫県たつの市龍野町日飼)が、来春の新入生から制服を変更する。在校生から募ったアイデアを基に、来春入学する小学6年生も含む約1800人による「新制服総選挙!」を開催し、当選したブレザーの組み合わせに決まった。スカートかスラックスかは自由選択の「ジェンダーレス制服」にする。(直江 純)
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同校では2年前に生徒会からの要望で「ブラック校則」の見直しに着手。髪形のツーブロック禁止など時代に合わないと判断した規定は廃止した。制服についても女子はセーラー服、男子は詰め襟だったが、当時の生徒会からは「男女統一でもいいのでは」との声も上がった。
生徒と保護者、教職員に実施した今年5月のアンケートでは、8割超が制服の見直しに賛成し、「総選挙」方式に進んだ。アイデアの募集には3年の女子生徒(15)と2年の女子生徒(13)が応募した。
それぞれ自作のイラストとともに「リボン、ネクタイは式典時のみ着用」「(ポロシャツやセーラー服など)かぶり式は着替えにくい」など具体的な着眼点や工夫を提案した。
制服メーカー3社に依頼し、2人の案も含む計9組の実物見本を7月12~15日に校内に展示。ストレッチ性のある新素材などもアピールし、個別懇談会の日程に合わせて来校した保護者も投票した。小6の児童のいる家庭向けにPR動画を用意し、ネットで投票してもらった。
開票結果は3年の女子生徒の案を取り入れたデザインが1位となり、オンラインでの終業式でお披露目した。着用モデルにもなった3年の女子生徒は「学校のシンボルカラーの緑色が採用されてうれしい」と喜んだ。
今後、夏服の素材など細かなことを詰めていく。生徒指導担当の石井孝征(たかゆき)教諭(32)は「在校生は新しい制服を着られないけれど、みんな真剣に選んでくれた」と感激した様子だった。