日本人女性初の快挙 パワーリフティングの世界最高峰大会で金 競技歴31年、赤穂の女性
2022/08/02 05:30
夫婦の絆で勝ち取った金メダルを持つ福島友佳子さんと和文さん=赤穂市内
五輪に採用されていない競技種目で4年に1回開かれる国際総合大会「ワールドゲームズ」のパワーリフティング女子軽量級で、兵庫県赤穂市の福島友佳子さん(52)=パワーハウス赤穂=が合計470キロで優勝した。最終試技で逆転し、6大会連続6度目の出場で悲願の金メダルを手にした。同競技で最高峰の大会を日本人女性が制したのは初の快挙だという。(坂本 勝)
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福島さんは同県姫路市出身で競技歴31年。2012年に世界殿堂入りした。世界選手権は昨年11月の女子47キロ級で6度目の優勝。一方でワールドゲームズは2、3位が2回ずつ。「年齢的にも最後の好機」と思って今大会に臨んだ。
大会は米アラバマ州バーミングハム市であり、福島さんは競技初日の7月8日に登場。日本代表コーチとして同行した夫の和文さん(55)らが見守った。
競技は3種目の合計重量で競う。大会では審判の判定が厳しく、福島さんは最初の種目のスクワットで2、3本目を続けて失敗。「大会初日の最初の種目。集中できず、優勝は無理かな」と不安がよぎった。だが、ほかの選手も記録を落とす中、和文さんの姿を見て落ち着きを取り戻した。
続くベンチプレスは順調に重量を上げ3回成功。準備は万全だった。大会で使われたベンチプレスの台は素材が硬く滑りやすい。知人に頼み、同じ素材の台で練習していた。2種目を終えて2位。昨年の世界選手権で準優勝した23歳のポーランド選手を追った。
最後のデッドリフトは試技のたびに首位が入れ替わる展開に。伸び盛りのポーランド選手が3回目を成功させ、逆転を狙って最終試技に挑んだ。170キロを見事に挙げ、和文さんに駆け寄った。大会の金メダル第1号となった。
「前回大会に行けなかった夫と金メダルを取れた。競技を長く続けてきて神様がご褒美をくれた」と福島さん。和文さんは「成功して当然の雰囲気づくりを心がけた」と話す。
ワールドゲームズを目指したのを機に22年間東京で暮らした。赤穂に移り住んで約1年半、職場の全面的な支援に感謝した。