夏のひなまつり、港町を華やかに たつの・室津地区の民家や観光施設など13カ所で公開

2022/08/28 05:30

豪華な七段飾りが設置された会場=室津海駅館

 旧暦の8月1日に合わせて、ひな人形を飾り付ける伝統行事「八朔(はっさく)のひなまつり」が27日、兵庫県たつの市御津町室津地区で始まった。室町時代の故事に由来し、民家や観光施設、社寺など13カ所でひな飾りを公開。華やかな人形たちが歴史ある港町を彩る。9月4日まで。(森下陽介) 関連ニュース 残暑厳しい港町、「八朔のひな祭り」で華やかに たつの市 ひな祭り、残暑厳しい港町に彩り たつの市室津の伝統行事「八朔のひな祭り」 「ライスペーパー」で大福が作れる!? 子どもも大喜びのひなまつりメニュー「おひなさまフルーツ大福」


 江戸時代の地誌によると、1566年1月、同地区の室山城が龍野城主に急襲され、婚礼の夜に花嫁が命を落とした。花嫁の死を悼んだ住民が、ひな祭りを半年延期したのが始まりとされる。地元住民らでつくる「室津を活(い)かす会」が復活させ、今年で20回目の節目を迎えた。
 毎年参加している横野香魚子(あゆこ)さん(73)は自宅玄関先に明治後期に作られた愛蔵の人形を並べ、花嫁をしのぶ句を添えた。室津海駅館では、豪華な七段飾りを設けるなど、地区全体でムードを盛り上げる。地域の子どもたちも、手作りしたシンコ細工のタイをひな人形にささげた。
 家族で訪れた御津小4年の女子児童(9)は「おひなさまがすごくきれい。私もあんな風になりたいな」と見とれていた。
 9月3日には、地域を巡ってクイズに答えると、特産品が当たるくじ引きも実施予定。室津海駅館TEL079・324・0595

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