パスタやカレー麺でも美味!伝統の手延べを欧風でもつるっと 本場の龍野城下に直営店次々と

2022/09/17 05:30

大正時代の木造建築を改装した「いちわ」。オーナーの金谷真美さんは栄養士の資格も持つ=たつの市龍野町本町

 手延べそうめん「揖保乃糸」を製造する兵庫県たつの市内の2社が今月、直営の飲食店を龍野城下に相次いでオープンさせた。両店ともに古民家を改装した趣ある内装で「揖保乃糸パスタ」「カレー麺」という一風変わった看板料理を掲げている。(直江 純) 関連ニュース 【写真】カレーを練り込んだ「森口製粉製麺」の乾麺「カレー麺」 「揖保乃糸が芸人人生の支えに」 たつの出身「インディアンス」田渕さん 【写真】森口製粉製麺のカレー麺を使った一心の「みそカレー麺」


 ■「イチワ」手延べパスタが自慢
 揖保乃糸は県手延素麺(そうめん)協同組合の組合員が基準に沿って製造した品だけが名乗ることができる。同市新宮町善定の「イチワ」(旧タブチ)もそのうちの1社で、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)の龍野町本町にイタリアン「いちわ」を出店した。
 店のオーナー金谷(かなだに)真美さん(34)は栄養士として給食会社などに勤めた後、帰郷して家業の製麺業を夫の学さん(42)と継いだ。出店計画は東京でイラストレーターをしている長兄の田渕正敏さん(39)に相談し、デザイン面で助言を受けている。
 「揖保乃糸は有名でも、パスタは知られていないから面白いかと思って」と金谷さん。手延べ製法でつるつるとした食感に仕上げたパスタは、エビや生ハムなどの具と合わせた。ランチ十数種類は860~1760円で、未就学児にはそうめんなどを無料で提供する。
 「いちわ」は「そうめん1束」にかけたほか、社名を改称したのが令和元(1)年だったことなどにちなむという。次兄の田渕章裕さん(37)は人気お笑いコンビ「インディアンス」で活躍中とあって、店内の随所に遊び心が感じられる。
 夜は中華メニューも加えて居酒屋のようにも使える。木曜と第3日曜定休(日曜夜は予約のみ)。いちわTEL0791・72・8999
 ■「森口製粉製麺」イチオシはカレー麺
 一方、明治創業の「森口製粉製麺」(神岡町横内)は龍野町旭町に「麺乃家(いえ)」を出店した。カレーを練り込んだロングセラーの乾麺「カレー麺」(850円)のほか、揖保乃糸▽ひやむぎ▽うどん▽そば-の5種類を季節野菜のトッピングなどで楽しめる。
 森口暢啓(まさひろ)社長(41)は「自社商品を目の前で食べてもらえる直営店が夢だった。乾麺は余分な原材料が入っていないので、子どもにも安心して食べてもらえる」とアピールする。
 当面は平日ランチ(午前11時半~午後2時)のみ営業。麺乃家TEL0791・72・8590。
 両店とも駐車場はなく市営駐車場を案内している。

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