「俺は最強だ」車いすテニスの国枝さん、飛躍のカギは自己暗示 パラと四大大会制覇を達成
2022/09/23 05:30
「テニスはどんな心境で打つかが勝負を左右する」と語る国枝慎吾さん=上郡町生涯学習支援センター
車いすテニスの金メダリストで、今年7月に四大大会とパラリンピックを制覇する「生涯ゴールデンスラム」を達成した国枝慎吾さん(38)=千葉県出身=が、兵庫県上郡町生涯学習支援センター(同町上郡)で講演した。金メダル獲得を可能にしたメンタルコントロール術を語り、約420人が聞き入った。
関連ニュース
車いすテニス国枝「全米もVを」 年間グランドスラムへ意欲
パラ閉幕、兵庫から3人のメダリスト誕生 車いすテニスの上地は「銀」と「銅」
車いすテニス神戸オープン 男子・真田が単複でV
上郡町の高齢者大学「千種川学園」が主催。講演は国枝さんの父の友人で、医療福祉分野について研究する中村直行さん(67)との対談形式で進められた。
国枝さんは9歳の時に脊髄に腫瘍が見つかり、車いす生活になった。パラリンピックではシングルスで2008年の北京大会、12年のロンドン大会、21年の東京大会で優勝。今年7月には英国で開かれたウィンブルドン選手権で初優勝し、四大大会を全制覇した。
講演で国枝さんは06年からメンタル強化のため、試合中に「俺は最強だ」と自分に言い聞かせるようになり、成績が飛躍的に伸びたと振り返った。昨年の東京パラリンピックでも「俺はできる。やるべきことを知っている」と言い続け、気持ちを切り替えていたと明かした。
また「勝ち続けると自分を変えられなくなる。時には負けることも必要」と強調。「大事なのは負けからどうやって自分を立て直し、ステップアップにつなげるか」と力を込めた。(地道優樹)