太子町長失職、教育長も不在…「三役」の二役が不在、戸惑う町民「なぜ対立、説明を」

2022/10/08 05:30

投開票日程を決める太子町選挙管理委員会の臨時会合=太子町鵤、町役場

 兵庫県太子町議会からの不信任決議を受け、服部千秋氏(62)が町長を失職した7日、町役場では杉原勝由副町長(59)が職務代理者となった。前教育長がセクハラ疑惑で8月に辞職し、後任人事も不同意となったため、町長、副町長、教育長の「三役」の二役が不在という異例の事態になった。 関連ニュース 本体、持ち手、色…お好みで カスタムかばん受注をスタート 姫路の皮革製造大手の山陽  私服登校OK 姫路西高、来春まで 夏季限定から延長 女子用制服のスラックスも導入 大山城跡の再興へ住民奮闘 赤松直頼が築いた播磨と但馬の境の要衝 登山道整備、催しも 神河


 町によると、服部氏は失職する7日午前0時まで町長室の片付けに追われ、ひっそりと退庁した。翌朝には「感謝」と書いたたすきを肩に掛けて幹線道路の交差点に立った。11月13日に決まった出直し町長選に向け、ドライバーらに手を振ってアピールした。
 一方、不信任に賛成した議員らも7日に会合を開いた。賛成した9人のうち正副議長を含む半数以上が出席し、町長選に立候補する意向を示している沖汐守彦・元町教育長(65)を支援する方針で一致した。今後、不信任理由を説明するビラを製作するという。
 町役場では、町長職務代理者となった杉原副町長が幹部職員に「気持ちを切り替えて頑張ろう」と訓示。公式ホームページの「町長の部屋」からは服部氏の公約や経歴が削除された。職員らは町長名義の書類の変更作業などに追われた。
 住民からは戸惑いの声も漏れた。町議会の傍聴経験がある自営業の50代男性は「町長の答弁は及び腰でリーダーシップに欠ける印象だったが、議員も情報発信が足りない」と指摘。「なぜここまで対立したのか、住民に分かるようにそれぞれ主張してほしい」と苦言を呈した。
 この日、町選挙管理委員会は臨時会合を開き、町長選と町議補選(欠員1)の日程を決定。立候補者説明会は14日午前10時から町役場議会棟で開催する。予備審査は31日を予定している。(直江 純)

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