兵庫県議選のニュース
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 21・30%。1月25日に投開票された兵庫県議西宮市選挙区補欠選挙の投票率だ。

 「号泣会見」で猛烈な批判が巻き起こった元県議、野々村竜太郎氏らの後任2人を決める選挙だったが、投票所に足を運んだのは10人中、3人にも満たなかった。

 2人を選ぶ選挙にもかかわらず、当選者の得た票は有権者数(約37万9千人)の6%と5%。民意を託されたというにはあまりに心もとない。

 「なぜ投票しなかったのですか」。2月下旬、JR西宮駅前で、棄権したという3人に尋ねた。50代の男性会社員は「政治への不信感がぬぐえず、選ぶ気になれない」、70代の女性は「暮らしが変わるとも思えないし」。そして、5歳の長男を連れた30代の主婦。「県議? 関わりがないので関心もないですね」

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 2月16日の県議会定例会初日。本会議で異例ともいえる議決があった。

 県当局はこの日、消費喚起策などを盛り込んだ2014年度補正予算案を提出。320億円を超す税金の使い道について、県議会はわずか数時間でお墨付きを与えたのだ。

 議案は通常、「健康福祉」や「産業労働」など分野ごとの常任委員会でチェックした後、本会議で採決される。今回も午後3時ごろに各常任委員会に付託されたが、いずれも30分程度で終了。議員から質問がなく、「異議なし」の声のみで終わった委員会もあった。結局、夕方の本会議で賛成多数により可決された。

 県民の目に触れる常任委員会での議論がほとんどない“スピード採決”。県議会は昨年、一昨年も、緊急経済対策などの補正予算案を1日だけで可決した。ベテラン県議は「提案前に県当局から十分な説明を受けている。円滑な運営だ」と胸を張り、県幹部も「速やかな予算執行が必要な中、議会には配慮してもらった」と感謝する。

 翌17日、神戸市から同様に120億円の補正予算案の提出を受けた市議会は、2日にわけて各常任委員会を開き、市側の姿勢をただした。もちろん、問われるのは審議の時間ではなく中身だが、県議会の対応に市議らはそろって首をかしげる。

 「表舞台でチェックしないなら、議会が形骸化していると批判されても仕方ない」

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 本紙は先月、読者クラブ「ミントクラブ」を対象にネットアンケートを実施し、有権者に地元の県議や市町議を知っているか尋ねた。

 「全員」から「少し」まで幅はあるが、回答した496人のうち436人が「知っている」とした。ただ、「相談や要望で話したことがありますか」との問いでは「一度もない」が352人に上った。

 存在が遠い地方議員。選挙の投票率も下落傾向に歯止めがかからない。1990年前後まで県議選、神戸市議選とも50%を超えたが、前回4年前はともに40%台前半にとどまり、過去最低を記録した。

 議会活動が低調だから有権者が無関心なのか、無関心だから審議が形骸化するのか。どちらとも言えそうだが、野々村氏ら政務活動費の不適切支出などが問題となった議員らの当選は、棄権を含む有権者の「選択」の結果である。

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 統一地方選前半の投開票日まで1カ月を切った。地方政治のあり方を問う連載の第2部は、議会の意義と役割を見つめ直す。(統一選取材班)

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