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長男健司さんの写真を手に、執筆への思いを語る西尾裕美さん=大阪市内
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長男健司さんの写真を手に、執筆への思いを語る西尾裕美さん=大阪市内

 学校でのいじめや事故などでわが子を亡くした全国の家族ら21人が手記を書き、9月に共同で本を出版する。家族らは、岩手県矢巾町(やはばちょう)で男子中学生がいじめ被害を訴え自殺するなど、教訓が共有されない教育現場に警鐘を鳴らし、「当事者の思いを知って」と訴える。(上田勇紀)

 2005~06年、神戸市立小学校で、深刻ないじめを受けた子どもの父親(52)が執筆を呼び掛けた。遺族らでつくる「全国学校事故・事件を語る会」で交流するうち、「自分の経験を伝えたい」と考える人がいることに気付いたという。

 執筆者の一人、伊丹市の西尾裕美(ひろみ)さん(57)は02年、長男健司さん=当時(16)=を失った。自宅近くのマンションで飛び降り自殺。高校で喫煙が見つかった日の夜だった。前年末、期末試験で同級生に答案を見せたことから1週間の自宅謹慎となり、その後も指導が続いていた。

 裕美さんは、健司さんの思い出や、最期について詳細に執筆した。「教師はいっぱい怒って、完璧な人間を育てようとする。でも、そうした指導が子どもの命を奪うかもしれない」。矢巾町の中学生自殺にも触れ、「学校や教師が子どもの方を向いていない。自分たちを守ることばかり。教訓が生かされていない」と憤る。

 京都市立小学校のプールで12年、溺れて死亡した1年の浅田羽菜さん=当時(6)=の両親も手記を寄せた。どのように事故は起きたのか。民事裁判を起こし、第三者委員会の検証を求めた。手記には「なぜあの子がいないのか。その問いに答えはありません。私たちは一生それを問い続けていかねばならないのです」と記した。

 出版代理店「L.C.研究所」(尼崎市)代表で、編集を担当する田原圭子さん(49)は「同じ悩みを抱える人や、教育関係者に手にとってほしい」と話す。

 仮題は「問わずにはいられない~学校事故・事件の現場より」。約250ページ。8月10日までに申し込む。1296円(送料別)。同研究所TEL06・6430・9306、ホームページhttp://www.lc‐lab.com

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