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球技やペットなどに関する禁止事項が並ぶ公園の看板。全ての人が納得できるルールづくりは難しい=神戸市長田区水笠通2、水笠通公園
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球技やペットなどに関する禁止事項が並ぶ公園の看板。全ての人が納得できるルールづくりは難しい=神戸市長田区水笠通2、水笠通公園
「スポーツが楽しめる」など目的別に公園を紹介する神戸市公園緑化協会のホームページ
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「スポーツが楽しめる」など目的別に公園を紹介する神戸市公園緑化協会のホームページ

 「近所の公園に犬を連れて入ったら、すごく怒られて」。本紙夕刊「イイミミ」に、声を震わせた女性から電話があった。神戸市内のこの公園には、飼い犬の立ち入りを禁じる看板があったらしい。そういえば、街の公園に「ボール遊び禁止」「ハトのエサやりやめて」などの看板が多く並ぶようになった。あれもダメ、これもダメ-では窮屈な気もするが、公園に何が起きているのだろうか。(藤村有希子)

 電話をくれた神戸市内の女性(61)によると、自宅近くの公園にリードでつないだ飼い犬を連れて入ると、園内にいた高齢男性に「出て行け!」と繰り返し怒鳴られたという。

 この公園には「犬の連れ込み禁止」という看板はあったが、「犬のフンは持ち帰って」と犬が入ることを前提とした看板もあった。犬禁止看板は周辺住民に「おかしい」という声もあり、文言はその後に消されたが、「怖くてもうあの公園には行けない」と女性。そして「公園は誰のためのものなんでしょうか」と漏らした。

 神戸、阪神間の公園を少し巡ってみたが、やはり禁止事項が目に付いた。「硬いボール遊び禁止」「ハトやネコへのエサやりはやめましょう」…。注意書きが10項目ほど並ぶ公園も珍しくない。

 神戸市公園部管理課によると、同市内には小規模な公園「街区公園」が約1300カ所ある。その使用については都市公園法や条例が定めているが、禁止事項を事細かには規定していない。県内のほかの市町もおおむね事情は同じだ。

 看板設置の経緯について、同課の担当者は「住民らから苦情や要望を受け、放置できないと判断すれば、注意事項を設けて看板で周知するケースが多い」。住民らでつくる公園管理会などと協議し、内容を詰めることもある。こうした看板は着実に増えてきたと感じるという。

 背景には何があるのか。まちづくりに詳しい千葉大大学院園芸学研究科の木下勇教授(61)は1993年の都市公園法施行令改正をその一つに挙げる。社会の高齢化を理由に、従来の「児童公園」が「街区公園」となり、公園が「子どものもの」から「自分を含む全ての世代のもの」と意識されるようになった-とする。

 加えて、住民同士の付き合いが減り「他者の行動を許せず、消費者感覚で行政へ文句を言い権利を主張する時代になった」と指摘。「行政はクレームに対応せずにはいられず、必然的に禁止看板が増えている」と続けた。

 主婦(36)=神戸市兵庫区=が子連れでよく行く近くの公園には、「硬いボール遊び」などの禁止事項が並ぶ看板がある。子どもはドッジボールなどをして遊ぶといい、「行政が禁止までしてしまう前に、当事者で解決できれば。子どもが伸び伸びと遊べる公園であってほしいですね」と話す。

 ■神戸や姫路市 HPで使い方紹介

 周辺住民らとのトラブルを心配せず公園を利用するにはどうすればいいのか。兵庫県内には「スポーツ」「遊具」などの利用目的別や地域別に、ホームページ(HP)で公園の特性を詳しく紹介している自治体などもある。

 「公園めぐり」というウェブページを設けている姫路市。複合遊具▽スポーツ▽芝・花・木-など目的別や、小学校区ごとの地域別に、公園を検索できる仕組みになっている。園内のイメージをつかんでもらおうと、各公園を複数枚の写真でも紹介する。

 芦屋市は「公園お楽しみガイドブック」をホームページに掲載。「楽しい遊具がある公園」「大きな広場やスポーツ施設のある公園」などとテーマごとに並ぶほか、市内の公園が一覧できる地図や、利用ルールも載せている。これとは別に「公園の健康遊具ガイドマップ」もある。

 神戸市公園緑化協会は「神戸の身近な公園情報」をホームページで提供。スポーツやバーベキューなどの目的別や地区別に整理されている。また、同市は図解付きで公園の利用ルールを伝える子ども向けパンフレット「公園のたのしいあそび方」も作っている。

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