日本が初めて命名権を獲得し、「ニホニウム」と提案した元素について学ぶ神戸大大学院理学研究科物理学専攻の特別談話会が24日、神戸市灘区の同大学で開かれ、学生や科学ファンら約20人が参加した。元素を発見した理化学研究所チームを率いた森田浩介・九州大教授の講演ビデオが上映され、偉業に至る道のりを学んだ。
チームは2004~12年、2種類の元素を核融合させる方法で、新元素の合成に3回成功した。森田教授の講演は、決定的な証拠となった3回目の合成の2日前、日本物理学会主催の一般向けセミナーであった。「(2回目に合成した)2005年以降は成功しておらず、非常につらい」と胸の内を吐露。一方で「(元素の)周期表に日本の旗を立てたい」と意欲を見せていた。
同大学院生の男子学生(24)は「物理を学ぶ者として、日本による命名は、やはりうれしい」と話した。(武藤邦生)
