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 兵庫県西宮市甑岩(こしきいわ)町にあった旧夙川学院短期大学の校舎解体に伴ってアスベスト(石綿)が飛散した可能性が高く、精神的な苦痛を受けたとし、3歳児を含む周辺住民36人が開発業者や解体業者、西宮市を相手取り、27日にも神戸地裁に損害賠償請求訴訟を起こす。市はこれまで「石綿建材はない」と説明しており、住民らは監督責任を問うという。

 原告は旧夙川学院短大から約1キロ圏内の3歳~80代の住民。「石綿は潜伏期間が長く、健康被害を生じるかもしれないという不安を抱えながら生活を続けることになる」と主張し、1人当たり5万円の慰謝料を求める。石綿問題をめぐり健康被害がない段階での賠償請求は異例。

 訴訟を起こす住民らによると、大阪市の開発会社が同短大跡地にマンション建設を計画。2013年6月から約2万平方メートルの敷地にあった校舎、体育館など12棟のうち「9号館」を除く11棟を解体した。一部建物の石綿を除去し、「それ以外、石綿はない」と住民らに説明してきた。

 ところが、現在、残っている9号館にあった空調ダクトのパッキンを住民が分析業者に依頼すると、白石綿の含有が確認された。さらに、校舎を建設した会社から3棟分の図面「設計図書」を入手。床や天井から石綿含有建材の使用を示す記述があり、柱や梁(はり)には厳重な除去対策が必要な「石綿ロックウール耐火被覆板」の使用を示す内容もあったといい、住民らは「大規模な解体工事であり、かなりの石綿を飛散させた」と訴える。

 一方、西宮市は「現地調査の結果、石綿建材を確認できなかった」としているが、住民らは「同短大が建設されたのは石綿建材が大量に使われた時期。十分な調査をしていれば、容易に発見できたはず」としている。

(竜門和諒、中部 剛)

【アスベスト(石綿)】毛髪の約5千分の1の繊維からなる天然鉱物。安価で耐火性に優れ、建材などとして広く使われた。2006年、一部製品を除き石綿建材の製造などが禁止されたが、現存する建築物には多く残っており、解体に伴う飛散が懸念されている。吸い込むと20~50年後に、肺がんや中皮腫を引き起こす可能性がある。05年に尼崎市のクボタ旧神崎工場の周辺で住民の健康被害が発覚し、大きな社会問題となった。

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