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浜の宮天満宮の秋祭りで、新調した大屋台で挑んだ西細江地区の「台場差し」=9日午前、姫路市飾磨区須加
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浜の宮天満宮の秋祭りで、新調した大屋台で挑んだ西細江地区の「台場差し」=9日午前、姫路市飾磨区須加

 男のロマンか、それとも見えか-。秋祭り真っ盛りの兵庫県の播州で近年、練り子たちが担ぐ屋台の大型化が進んでいる。少子高齢化や人口減少で若者らが減っているにもかかわらず、一回り大きな屋台の導入に踏み切る地区が目立つ。時代に逆行するような風潮だが、この矛盾を解く鍵は、祭りをこよなく愛する播州人の粋と意地にあった。(末永陽子)

 9日に本宮があった浜の宮天満宮(姫路市飾磨区須加)。漆塗りを施す前の真新しい白木の屋台を、練り子らが勢いよく掲げた。汗にまみれながらも表情は誇らしげだ。

 氏子地区の一つ、西細江地区は25年ぶりに新調した。従来の「中屋台」(重さ1トン以下)から「大屋台」(同1・8~2トン程度)に。重さや大きさを語るのはタブーとされるが、一回り大きくなった姿に中山幸三自治会長(73)は「長年の悲願だった」と目を細める。

 同神社の目玉は市重要無形民俗文化財の妙技「台場差し」。1トンを超える豪壮な屋台を24人の練り子だけで支え、両腕を伸ばして高く差し上げる力技だ。

 同地区は昨年まで中屋台だったため、他地区と比べると見劣りは明らかだった。練り子の人数は減っているが、地区の役員らは「大屋台になったので、担ぎに帰ってくる若者も増えた」と喜ぶ。

 高岳神社(同市西今宿)の辻井地区も今年、大屋台を導入。土井茂弘自治会長(72)は「観衆は迫力ある大屋台の方が盛り上がり、地域活性化にもなる」

 屋台研究家の粕谷宗関さん(71)=同市=によると、大型化は30年ほど前に始まり、この10年で進んだという。「他には負けたくないという意地がある」と分析。「将来は練り子が減り、台車で引く地区も出てくるのでは」とも指摘する。

 兵庫県内外の屋台を手掛ける河野屋台製作所(同市)の河野敏信さん(65)も播磨の大型化を実感。「小型の屋台を嫌って他地区へ担ぎに行く若者も多く、大屋台にして流出を防ぐ地区もある」と話す。

 粋で、いなせで、ごんたくれ-。作家の故車谷長吉さんが姫路の男をこう評した。今年も各地で意地がぶつかり合う。

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