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黄色い屋根が目を引く旧カンボジア館の広陵町集会所=神戸市北区広陵町2
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黄色い屋根が目を引く旧カンボジア館の広陵町集会所=神戸市北区広陵町2
カンボジア王室のレリーフが掲げられている集会所のホール=神戸市北区広陵町2
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カンボジア王室のレリーフが掲げられている集会所のホール=神戸市北区広陵町2
敷地にある四面仏顔塔のミニチュア模型。万博の展示物だった=神戸市北区広陵町2
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敷地にある四面仏顔塔のミニチュア模型。万博の展示物だった=神戸市北区広陵町2
神戸新聞NEXT
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 1970年に大阪で開催された日本万国博覧会(万博)のパビリオンの一つ、「カンボジア館」として使われた建物が、神戸市北区広陵町の住宅地で集会所として親しまれている。万博から半世紀近くがたち、老朽化も目立つが、カンボジア国内でも希少なデザインと判明。愛着を持つ住民らは改修、保存する方針を固め、「今後もカンボジアとの友好のシンボルに」と願う。(長嶺麻子)

 高さ約12メートルで、黄色い鋭角の屋根が目を引く。広さは260平方メートルあり、住民がダンスや卓球、剣道、太極拳などを楽しむ場として高い稼働率を誇る。屋内には同国王室のレリーフ(浮き彫り)、世界遺産アンコールワットの写真パネル、屋外には石像や塔のレプリカなど、万博当時の展示物が残されている。

 万博閉幕後、広陵町の住宅地の開発業者によって移設された。71年に同町の集会所として開館し、約1200戸ある広陵町自治会が管理運営。田中收(おさむ)会長(68)は「当初は周囲の景観との違和感を抱く人も多かったようだが、今ではパビリオンの呼び名で親しまれている」と話す。

 カンボジアは万博の会期中に内戦が始まっており、建物を調査した九州大大学院助教で建築家の岩元真明さん(34)は、クメール王朝時代の寺院を模した大屋根と近代的な採光方法を融合させていることなどから「『新クメール建築』と呼ばれる内戦前の近代建築運動の流れをくんでいる。海外に現存するのはごくまれだ」と評価する。

 同自治会は昨年、耐震診断も実施。一定の耐震性があり、地盤も硬いことが分かった。屋根瓦の塗装がはげるなど老朽化から解体、新築する案も浮上したが、“文化財”としての継承を意識し、同自治会の役員会は改修の方針を固めた。

 3日午前10時~午後3時には、地域の文化祭を開き、住民に加え、カンボジアの子どもたちの絵画などを展示。集会所を巡って交流を進めてきた同国の大学関係者や留学生らも招く。田中会長は「大阪万博とカンボジアの貴重な文化財だと思う。もっといろいろな人に知ってほしい」と期待する。

 文化祭は入場無料。広陵町自治会館TEL078・583・8183

【大阪万博のパビリオン】海外77カ国、国内企業などの計116館があった。テーマ館の一部で、故・岡本太郎氏がデザインした「太陽の塔」が、2018年から一般公開されることから再び注目を集めている。閉幕後、移設された施設も多いが、現存はカナダの大学図書館になったサンヨー館、岡山県奈義町の陸上自衛隊駐屯地内にあるミュンヘン館、神戸市北区のカンボジア館-と計3カ所だけとなっている。

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