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武骨なデザインのうどん自販機とオーナーの藤村学さん=兵庫県香美町村岡区長板「コインスナックふじ」
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武骨なデザインのうどん自販機とオーナーの藤村学さん=兵庫県香美町村岡区長板「コインスナックふじ」
ファンが「奇跡のようだ」と絶賛するレトロな店構え=兵庫県香美町村岡区長板「コインスナックふじ」
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ファンが「奇跡のようだ」と絶賛するレトロな店構え=兵庫県香美町村岡区長板「コインスナックふじ」

 一昔前まではどこにでもあったが、今は絶滅寸前のうどんの自動販売機が、静かな注目を集めている。兵庫県内で稼働しているのは残り2台とみられ、自販機の前では日夜、麺をすする音が響く。(黒川裕生)

 290円を入れてボタンを押し、待つこと25秒。チーン。熱々のきつねうどんの出来上がりだ。「絶妙な値段と、それ相応の味が素晴らしい」。ツーリングついでに月1回は利用する養父市の男性会社員(56)は、箸を動かしながら賛辞を惜しまない。

 兵庫県香美町村岡区長板の国道9号沿いにある「コインスナックふじ」。オーナーの藤村学さん(50)は「コンビニが増えてきて、もうけは全然ない」と苦笑するが、武骨なたたずまいのうどん自販機は、40年前から休まず動き続けている。

 製造元の富士電機(東京)によると、生産していたのは1975~95年で、82~95年の製造台数は約千台。それ以前は記録がなく、携わった社員も全員退職したという。中の食材は設置店がそれぞれ仕入れたものを補充するため、「現在の稼働台数は不明」と同社。

 インターネットで「懐かし自販機」というサイトを運営するマルチクリエーター魚谷祐介さん(43)によると、兵庫県内ではコインスナックふじのほか、神戸市東灘区深江浜町の商店「石田鶏卵」で稼働しているのみ。ちなみに同店は天ぷらうどん、そばを各230円で販売する。

 富士電機のうどん自販機はテレビ番組などでも取り上げられ、昭和を感じさせる雰囲気に引かれて、週末などには遠方から訪れる人も少なくない。

 全国各地のレトロな自販機を訪れている魚谷さんは「自販機が積み重ねてきた歳月や懐かしさも一緒に味わえるのが魅力。特に『コインスナックふじ』は古い店構え自体が奇跡のような存在だ」と力説する。

 魚谷さんによると、現在は全国で約70台が稼働中。機械が古く、大半のオーナーが高齢化しているため、「なくなるのは時間の問題」とみられる。魚谷さんは「食べるなら今が最後のチャンスかもしれない」と話す。

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