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秦雅夫さん                               
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秦雅夫さん                               

 近畿日本鉄道と相互乗り入れするなんば線が2009年に開通して以来、乗客が増加中の阪神電気鉄道で、4月から指揮を執る。大阪・梅田と神戸を結ぶ本線となんば線の結節点、尼崎駅など沿線の活性化加速を課題に挙げる。

 忘れられないのは、1995年1月の阪神・淡路大震災。その約半年前に鉄道企画部の課長に就いた。乗客は91年度の約2億5千万人を頂点に減り始め、震災後はいち早く復旧したJRに奪われた。「輸送人員の報告書は毎月、(前年対比減の)▲の印ばかり。冗談抜きで、乗客がいなくなると思った」

 この危機感は、阪神同様にJRと平行して走る阪急電鉄も抱き、梅田-神戸三宮間の定期券共通化を実現させた。当時はライバル同士の連携に社内で反発もあったが、「乗客の利便性向上だけを考える」と説き伏せた。後に関西私鉄が共同発行したプリペイドカード「スルッとKANSAI」など、会社の枠を超えたサービスの土台を築いた。

 人事・総務畑が長い。震災から22年がたち「安全を守る意識や技術を若手に継承する時間は限られている」と教育制度の拡充も急ぐ。

 京都大在学時に司法試験に落ち、教授の勧めで門をたたいた。中学生のころ、故郷の大分県から高校野球を観戦しに甲子園球場に来たのが阪神電車との出合い。「不思議な縁ですね」と懐かしむ。

 息子2人は独立し、大阪府吹田市で妻と2人暮らし。「週末は静まった会社で考えを整理する」と仕事一筋だが、1歳半の孫娘は「かわいくて仕方ない」と祖父の顔ものぞかせる。59歳。(井上太郎)

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