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 兵庫県西宮市甑岩(こしきいわ)町にあった旧夙川学院短期大学の校舎解体に伴ってアスベスト(石綿)が飛散した可能性が高いとし、周辺住民らが跡地開発業者らを提訴していた問題で、建設前の図面「設計図書」に大量の石綿建材の存在を示す記述があることが8日、関係者への取材で分かった。開発業者や西宮市は一部を除いて石綿建材は使用されていなかったと説明していた。(竜門和諒)

 開発業者が大学跡地にマンション建設を計画。2013年6月~14年3月、全12棟のうち2棟で確認された石綿を除去した上で、11棟を解体。2棟以外に石綿建材はなかったと説明してきた。西宮市も「ない」とする調査結果を公表していた。

 しかし、住民らが解体されなかった1棟から石綿含有材を発見。さらに設計図書の一部を入手し、石綿建材の使用を示す記述があったことから、解体時に石綿が飛散した可能性が高いとし、住民ら約40人が昨年7月、神戸地裁に慰謝料を求めて裁判を起こした。

 裁判での住民らによる申し立てを受け、校舎を施工した建設会社が1月、すべての設計図書201ページを裁判所に開示した。

 石綿に詳しい民間団体「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」(東京)が設計図書を分析したところ、11棟のうち10棟の天井や床などが石綿建材137点を使って設計され、このほか飛散しやすい建材19点も含まれていた。また、含有が疑われる建材も338点に上ったという。住民側は「大量の石綿建材があったのは明らか。解体時に飛散した可能性が高い」とする。

 西宮市は「確認中でコメントできない」、開発会社も「法廷で当方の主張を述べる」としている。

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