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女性向けに細身のシルエットにした作業服。カジュアルな安全靴も登場した=神戸市長田区南駒栄町
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女性向けに細身のシルエットにした作業服。カジュアルな安全靴も登場した=神戸市長田区南駒栄町
女性用ドライバーを考案した神戸電子専門学校の学生=神戸市中央区山本通1
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女性用ドライバーを考案した神戸電子専門学校の学生=神戸市中央区山本通1

 建設や土木などの現場で働く女性や、日曜大工を楽しむ女性が増える中、デザイン性と機能性を兼ね備えた女性向けの作業服や工具が登場し、注目を集めている。背景には、人手不足が深刻化する業界の事情もあり、「男社会」や「きつい・危険・汚い」の「3K」というイメージの払拭(ふっしょく)につながればと期待されている。(広畑千春)

 神戸市長田区の「アグロワークス」は3月、現場で働く女性の声を基に開発した女性向け作業服の販売を始めた。従来の服は女性の体に合わない上、「やぼったく見える」などの不満も上がっていた。

 そこでウエストを絞り、腕の上げ下げが楽にできるよう伸縮性のあるニット生地を脇に使用。ピンクやオレンジの糸でステッチを施し、パンツも細身に見えるようにするなど、デザインにも配慮した。

 同市垂水区でハウスクリーニング業を営む中野千里さん(58)は、アグロでこれまで作業服を10点以上購入。「黒や茶の男っぽい服と違い、雰囲気も明るくなる」と評価する。安黒千能(あぐろかずよし)社長(49)は「最近の若者はおしゃれに敏感で、男性からの問い合わせもある。人材を確保するためにも『3K』の一つを『きれい』に変えたい」と意気込む。

 現場で使う工具も、武骨な印象を一新し、動物や花柄など女性にも好まれるデザインが登場している。

 神戸電子専門学校(同市中央区)では、学生が女性向けのドライバーを考案。一輪挿しに生けた花やリップスティックをイメージし、置物にしたり、ポーチに入れて持ち歩いたりできる。

 企業関係者を招いた審査会では、洋梨をかたどり、刃先を付け替えられるドライバーが最優秀に選ばれた。制作した梶木佑太さん(20)=神戸市北区=は「女性の力でも回しやすいようにした」と笑顔。今後、商品化も検討するという。

 電気工事会社を経営し、女性向け工具や作業服の企画にも関わる松浦鈴枝さん(42)=同市中央区=は「現場は男性のものというイメージを和らげ、女性にとっても魅力的で働きやすくなれば」と話す。

■女性進出国もサポート

 理系の女子“リケジョ”が注目され、工学系の大学への入学者数も増える中、建設業界や国土交通省は、女性技術者・技能者の「倍増」を目指しイメージアップや環境整備を進める。

 文部科学省の学校基本調査によると、2016年度に大学の工学系学部に通った女子学生は約5万4千人。20年で約5・4倍に増えた。

 一方、12年の労働力調査によると、土木や電気、建築などの現場で働く女性技術者・技能者は約10万人で全体の約3%。国交省と業界団体は14年にアクションプランを策定し、女性用トイレなどの環境整備や女性の積極採用を推進する。大手ゼネコンが現場監督に女性を登用したり、中堅の電気工事会社などが有名アパレルメーカーに作業服のデザインを依頼したりする例も出始めた。

 現時点では技術者・技能者数は「微増の状態」にとどまるが、国交省は「雇用する側の意識改革も必要。子育てとの両立や勤務形態など、女性が働きやすい仕組みを具体的に提案していきたい」としている。

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