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ライド途中に寺を参拝するサイクリストたち=南あわじ市湊里、智積寺
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ライド途中に寺を参拝するサイクリストたち=南あわじ市湊里、智積寺
イベントでタマネギ収穫を楽しむサイクリスト。食材の豊かさを実感=南あわじ市内(Awajiロードバイクサポーターズ提供)
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イベントでタマネギ収穫を楽しむサイクリスト。食材の豊かさを実感=南あわじ市内(Awajiロードバイクサポーターズ提供)

 美景と起伏に富んだ地形でサイクリングスポットとして人気の淡路島。スポーツ用のロードバイクなど自転車で外周約150キロを走る「淡路島ロングライド150」には毎年2千人近くが参加する。これを観光振興につなげようという動きが加速している。地元グルメでサイクリストをもてなし、特産のタマネギ収穫体験や寺社巡拝などを盛り込んだイベントも。スポーツツーリズムに向けた住民らの機運が高まっている。(佐藤健介)

 兵庫県南あわじ市阿万(あま)塩屋町のレストラン兼ペンション「AMA TERRASSE(アマテラス)」。島南部の“サイクリストオアシス”として、2016年11月にオープンした。タマネギの溶け込んだカレーを平らげ、休憩を終えたサイクリストたちが、タマネギ畑と菜の花の田園風景の中をさっそうと駆け抜ける。

 島一周は「アワイチ」と呼ばれ、サイクリストの間でも人気。ところが、神戸方面からの「玄関口」で、レンタサイクル店などもある北部とは対照的に、南部にはサイクリストのための休憩場所が少なかった。

 アマテラスはアワイチのほぼ中間点。タイだしのシーフードカレー、藻塩のパンなど島の幸を使ったメニューを提供する。海に近いことから、釣り具レンタルやウミホタル観賞といった構想も検討。オーナー出田裕重さん(41)は「サイクリストという限られたターゲットだが、地域には大きなチャンス」と意気込む。

 同市福良地区でコーヒーショップ「ジロ・デ・アワジ」を営む原拓生さん(42)は、サイクリング好きが高じ、店には自転車ラックを設け、洗車や給水、簡易修理のサービスまで提供するようになった。

 15年夏、島内の自転車愛好家らと「Awajiロードバイクサポーターズ」を結成した。サイクリスト向けにウェブサイトで情報を発信。タマネギ収穫、寺社を参拝し御朱印を授かるなどのイベントを展開する。

 今年3月には同地区にロードバイクショップ「島くるAwaji」を開き、ロードバイクの貸し出しや初心者講習を行う。地元農産物を使った食事、伝統工芸の瓦の小物作りなど、島の魅力を体感できるツアーも準備。原さんは「自転車を、淡路島の産業や文化、自然と結び付けたプロジェクトを進めたい」と話す。

   ◇   ◇

■兵庫県、スマホ対応の地図配布

 住民主導で進む「自転車観光」に、行政も取り組み始めている。

 淡路県民局は2016年秋、地元サイクリストらによる監修で最新版サイクリングマップを作成した。

 コンビニなどのほか、修理道具を利用できるカフェや走行に注意が必要な場所を掲載。お薦めコースには最大標高差や想定所要時間などを記し、QRコードも付けスマートフォンでも確認できるようにした。

 南あわじ市は17年度から徳島県鳴門市や香川県東かがわ市と共同で、島の景勝地や四国の札所などを巡る広域コースをPR。自転車が通行できない大鳴門橋については、自転車をトラック、サイクリストをバスで移送する計画だ。

 課題もある。Awajiロードバイクサポーターズの事務局を務める平真由己さん(42)は「サイクリングであまり通らない場所をルートに入れるなど、地元愛好家の意見が十分に反映されていない」と指摘。「自転車乗りの目線」を生かせるかが、成功の鍵を握りそうだ。(佐藤健介)

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